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2024.11.14 高圧反応器のメンテナンスに潜む落とし穴 ― 錆取り後のガス漏れ発生、その原因は?
ある日、実験用の高圧反応器(オートクレーブ)のメンテナンスでちょっとしたハプニングが発生しました。学生が「SUS製の反応器が錆びている」と報告してきたので、錆取りのために分解洗浄を実施。反応器を全て分解し、錆を除去した後は、洗剤「コンタミノンUS」を使って超音波洗浄機で入念に洗浄しました。
問題はその後。再度組み立ててガスを封入してみると、なんと5本中3本の反応器からガス漏れが発生してしまったのです。ナットを締め直し、パッキンの状態も確認しましたが改善せず…。調べた結果、ガス漏れの原因はどうやら安全弁部分(写真の赤丸部分)にあるようでした。
メーカーとも協力し原因を追求したところ、「安全弁を超音波洗浄機で洗浄したこと」がどうやら問題だった模様。金属製だから大丈夫と思い込みましたが、超音波洗浄の振動が安全弁に微細な影響を与えていた可能性があるとのことです。安全弁は分解できるため、改めて内部を確認してみますが、今後はこの経験を踏まえ、部品ごとに適切なメンテナンス方法を慎重に選ぶ必要があると感じました。
続報があり次第、皆さんに共有していきたいと思います。
2024.11.7 III期とIV期の間
今週と来週が5年生の実務実習III期とIV期の間となっています。一時的に大学に来ることになっており、3ヶ月ぶりに顔を合わせることになります。うちの大学としては初めての実務実習でしたが、みんな順調に実習を終えて充実した実習だったことがうかがえます。
さて、4年生にとってはCBT本試験が2ヶ月後となりました。授業の合間に実験をやってもらいましたが、やはり練習実験だけしかできませんでした。4年生の講義に加えて、CBT対策模試の補講など、思った以上に時間をそっちに取られてしまいます。それぞれの学生に研究テーマを与えていますが、その進捗は残念ながら0です。薬学部あるあるだと思いますが、想像以上に研究ができないというのが薬学部にきて分かりました。
研究のやり方を根本的に変えないといけないんですかね。。。それとも研究ができるところに移るのか。。。悩ましいところです。
2024.10.24 10月
10月もあっという間に過ぎようとしています。この一ヶ月で、すでに1年生の実習4回(全10コマ)が終わりました。あと通常の講義も週2コマ(有機化学IとIV)も受け持っています。ちょうど5年生がIII期の実習中ですので、講義の合間を縫って病院訪問と薬局訪問を3件(合計260km走破)こなしています。今日は高校訪問2件(合計170km走破)やってきました。大学に戻ってから実験もやっています。そして来週は多治見の病院訪問。。。毎週どこかに出張に行っている状況です。
2024.10.8 MANABIYAから帰ってきました
9月10日から3週間にわたり、北海道大学 化学反応創成研究拠点 (ICReDD)にてMANABIYAプログラムを受けてきました。詳しい内容は話せないのですが、AFIR法を使って自分が見つけた反応機構の解明に取り組んできました(現在も継続中)。前田研のM1とD3の学生さんにつきっきりで指導してもらい、GRRMの使い方など学んで来ました。
また滞在の最初の方は基礎有機化学討論会が札幌で開催されておりましたので、知り合いの先生など多くの先生とお目にかかることができ、飲み会も開催しました。
今回は実験はしませんでしたが、基本的にはmixラボで朝から晩までデスクに座り、計算を投げたり、計算結果の解析などをしていました。1日1日があっという間に過ぎるぐらい充実しており、3週間でも足りないくらいでした。今まで計算を独学で少しかじった程度でしたが、つきっきりで教えてもらえる環境では無いとなかなかマスターするのは難しいですね。
また同時期に岐阜薬科大学の山口先生や、岐阜大学の芝原先生とMANABIYAの研修を受けることになり、同じ県内の大学の先生とゆっくり話(業界裏話)をすることもできました。そして芝原先生には、私の誕生日を祝っていただきました。
またポスドク時代からお世話になっている美多先生にもいろいろと気を遣っていただき、多くのサポートをしていただきました。美多先生のきめ細やかな気遣いに驚かされることばかりで、それを今回知ることができたのも収穫でした。この場を借りてお礼申し上げます。
2024.9.19 北大での生活
ICReDDでの生活も半分が過ぎようとしています。
初日から数日間は計算の作法を学ぶ日々で、今週からはいろいろと自分で考えながら計算を投げることが出来つつあります。飲み会もちょくちょくありました。
2024.9.9 移動日
明日から共同研究(計算化学)のため、北海道大学のICReDDにて約3週間お世話になります。これから中部国際空港から新千歳空港に向かいます。
長期出張でいろいろな調整が必要であり、同僚の教員のご協力のいただき、この時期の訪問となりました。約3週間、研究に没頭できることは、幸せなことだと思います。
2024.8.22 お盆明け、みんな居なくなりました
ご無沙汰しております。お盆休みが空け、今週から社会復帰をしております。
19日(月)からは研究室の5年生全員が実務実習に行きました。私が研究指導している学生2名も薬局実習と病院実習で2月まで戻ってきません。これまで研究をやってきたのですが、この実習のおかげで実験手技を忘れてしまわないか心配です。
お盆休み中、某大学H氏から久々のメールをもらいました。私のブログを見てくれていたみたいで、中圧クロマトに関する相談でした。システムの組み方をアドバイスをする中で、参考のために私が一番最初に買った中圧クロマト(手動)の写真も送りました。実はこの機種、大学教員になりたての時に獲得した研究費で初めて買った機器なんです。今は全く動かしていませんが、多分動くと思いますし、何かに使えるかと思っているので、念のためにまだ保管してあります。
2024.7.31 忙しい4年薬学生
先週、前所属の同僚で現在は東海地方で大学教員をやっている某Kさんと某Mさんと名駅近くのビアガーデンに行ってきました。岡山にいたときは数ヶ月に一回は一緒に飲んでいたのですが、こちらに来てからはなかなか3人が集まる機会もなく、久々の再会でした。いやーみんな苦労してますね。。。次回は12月に開催ということで、飲み会の終わりにさっさと次の開催月と幹事をその場で決めることが定期的に飲み会を開催する秘訣ですね。
さて、うちの大学では1年生のときから手厚い薬学教育をやっている訳ですが、4年生になるとさらに過密なスケジュールになります。4月から7月まで基本週1回2コマはCBT対策講座(各教員持ち回り)があります。その対策講座のあいまあいまに5-7月に薬ゼミの模試を3回受け、7月末には薬ゼミ講師による補講4コマ/1日×5日間を受講します。そしてCBT体験受験に突入します。この間、普通に講義と定期テストもあります。
夏休みは夏季補講。各分野の教員がテーマ(学生が弱い分野)を設定して、1コマ担当する夏季補講が9月末に実施されます(3年生の補講も同時進行)。そして10月から後期が始まるわけですが、講義の合間に毎月CBT模試を3回受験し、その間、教員や薬ゼミの模試解説補講も開催して勉強漬け、そしてCBT本試験に望みます。だいたいこのようなスケジュールで1年間、4年生のCBT対策をやっていくわけですが、その合間に卒業研究をやっていきます。大体毎日1コマ、多くて2コマぐらいでしょうか研究に当てられる時間は。
でも、私が研究指導している5年生、4年生に実験の反応機構を聞くと大体答えられない。電子の流れが逆とか、求核剤と求電子剤が分かっていないとか。。。あ、これはまずいなと思ったので、CBT対策と国家試験対策を兼ねて有機化学勉強会(学生からは萬代スペシャルと呼ばれる勉強会)で問題を計100問をやりました。6月から7月末まで週1回1コマのペースで計8回100問です。毎回、解答解説だけではなく、周辺知識の整理とかもやっているので、このぐらいのペースがちょうどいい感じです。
この勉強会のおかげかどうか分かりませんが、学生が受けた先週金曜日の薬ゼミのテスト、有機化学の分野だけ成績が良い学生がいたので、私の勉強会が少しでも役に立ったのかなと思う次第です。
もし勉強会の資料、欲しい方がいましたらお知らせください。萬代の知り合いでしたらお譲りします。
2024.7.24 先週
毎週ブログを更新するつもりでしたが、忙しくて更新できませんでした(泣)しかし梅雨が明けると外は暑いですね
連休明けの16日(火)は薬局訪問で出張でした。私が担任している学生の薬局実習が8週目を迎えたため様子を見に行きました。往復320kmを運転。
水、木は金曜日の出張(後述)のためのスライド作りとその合間に学生面談(4名)。木曜の夕方は研究室の学生向けの勉強会をしました。
金曜日、土は岡山大学へ出張。小中の同級生から頼まれて、次世代理系人材育成プログラム(中学生向け講座)の講師を担当し、2時間の講義をしました。内容は私のキャリアパスの説明+鈴木宮浦クロスカップリング反応の体験実習です。この体験実習はいつも本学のオープンキャンパスでやっているもので、それを中学生向けに少し改変したモノとなります(今は写真がありません。後日送付してもらう予定)。
土曜日は岡山から帰ってきて、すぐに子どものスポ少の合宿にコーチとして参加(一泊二日)。1日目のコーチ飲み会は1時半までやって、朝6時起床。午前中に次男(4年生)の練習試合を1試合やったところであります。22日(月)はやや疲れ気味で大学に来て放心状態。何も出来ず。
月末までに書き物をいくつか仕上げる必要があります。いつも締切りギリギリ。しばらく実験は出来なさそう(泣)
2024.7.11 中圧クロマト納品
一昨日、知多半島の高校回り(往復160 km)で大学のパンフレットを配ってきたところですが、外回りって大変ですね。私には向いていないと改めて思います。
さて、うちの薬学部には私の強いリクエストで入れてもらった山善の中圧クロマトがあり、私の実験室に置いていて5年間稼働してくれたわけですが、今回、自分の中圧クロマトを購入しました。全く同じ機器を購入したわけですが、この機器は自分にとって大切な商売道具となるわけですから、やはり自分の機器が欲しいということになるわけです。
購入した機器は、EPCLC-W-Prep 2XY A-Typeの固定波長タイプ。TLCリーダー付きで2チャンネルあります。当初は予算の関係から、1チャンネルタイプと検出器は可変波長+TLCリーダーを想定しておりました。ただ山善の担当者と打合せをするなかで「1チャンネル+可変波長+TLCリーダー」と「2チャンネル+固定波長+TLCリーダー」の価格差は30万円とのこと。そうなると「2チャンネル+固定波長+TLCリーダー」を選択するわけです。
薬学部のEPCLC-W-Prep 2XY A-Typeは可変波長ですが、可変波長は機器そのものの価格が高いのと、5-10年に一回、光源の交換のため山善への返送と高額な交換費用(20万くらい)がかかることから。一方、私が購入した固定波長タイプは、UVランプを交換するだけなので、1回6000円だけで済みます。
今のところ予算の関係で検出器はUV254nmのみですが、来年度にELSDを購入しますので、装置としては来年度に完成することになります。
手動のカラムクロマトも教育的にはいいですが、薬学部の研究時間が少ないことを考えると精製に時間をかけるわけにもいかないので、私はもちろんのこと、学生にもガンガン使わせる予定です。
2024.7.3 冷蔵庫納品
ゴールデンウィーク開けから週二回の午後に化学系実習をやっていましたが、ようやく終わりました。レポート採点が残っていますが、開放感ハンパないです。私が行った実験の収率をホワイトボードに書き出しているのですが、概ね60−75%で目的物が得られています。湿度の高い時期に、アルゴン雰囲気下ではなく塩カル管を刺してやるグリニャール反応にしては良いのではないでしょうか。
さて、待望の冷蔵庫を購入しました。これまでも学科共通の冷蔵庫はあったものの手狭になってきたので買うことにしました。日本フリーザーのバイオメディカルクーラーUKS-5410DHCというものです。内容量は約544Lで試薬の保管、合成サンプルの保管にちょうどいいのかなと思います。
試薬等を保存するためには、トレーみたいなのがあった方が便利なのですが、冷蔵庫は上から下へと冷気が通らないとダメみたい。出入りの業者にいろいろと相談してみると、牛乳パックを運搬するのに使うミルククレートが冷気を遮断せずに収納できるみたいです(試薬瓶も落ちない)。まだ購入していませんが、このミルククレートだと、1つの棚に2つ並べられるので前向きに検討中です。
2024.6.26 計算化学
本学でもGaussianやGaussViewのサイトライセンスを導入しており、気軽に利用できる環境を整えています。しかし、私自身簡単な計算しかできないし、本格的に計算化学を習ったことがないのでうまく活用できていません。やはり論文に載せる計算はある程度実績にある共同研究者にお任せという状況でした。
ということで、この状況を打破しようと9月にほぼ1ヶ月、北海道大学の化学反応創成研究拠点(ICReDD)に計算化学(MANABIYA アカデミックプログラム)を学びに行くことになりました。1ヶ月大学を空けるのは大変心苦しいのですが、夏休み期間中であることや指導している5年生が実務実習で学外にいくのでちょうどいいタイミングでした。また滞在費、交通費など全てICReDDが負担してくれるという好条件。
うちの大学は学外出張は20日まで、という取り決めがあるので有休と組み合わせての参加となりそうですが、このチャンスを逃すともう次はないなと思いましたので、よしとしましょう。
このプログラムを教えてくれたのは、ICReDDにいる某M先生でした。この場を借りて感謝申し上げます。
2024.6.19 遠隔操作で分析機器を操る方法
研究室にいろいろな分析機器を保有していると思いますが、スペースの関係で別の部屋に設置してあったり、別の階の部屋に設置してあることが多々あると思います。そのような環境の方に役立つものを今回はご紹介したいと思います(以前のブログもご参照ください)
うちの研究室のように、薬学部生であまり実験に慣れていない学生がいる場合、学生に実験をやってもらいつつ、同時並行でラセミ体の分離条件を探してもらうというマルチタスクをさせると、教員が思っている以上に時間がかかり、「え、まだ終わっていないの?、今まで何してたの?(禁句)」という状況に陥ります。特に分析機器が離れた場所にある場合は、その傾向にあります。
そういうときは、自分(教員)が分析をやった方が早いです。本当は学生にラセミ体の分離条件を探させることは教育的にはいいのでしょうけど、6年制薬学部生のほとんどは薬剤師になるので、分離条件の検討をさせる教育的配慮はそんなに必要ないのかなと最近思い始めました。それよりもどんどん実験してもらって結果を出してもらう方が良いのではないか、と悟っています。
さて本題に戻ります。機器を自分の部屋や自宅から操作できるのであれば、これほど楽なことはありません。そこでご紹介したいのがSplashtopというリモートアクセスソフトウェア。WindowsやMacでもリモート接続できる機能はありますが、Splashtopを使用した方が手っ取り早いです。
Splashtopを機器分析に利用するためには、次の条件が必要です。
- 遠隔操作したい機器の制御がパソコンでできること(Win, Mac問わず)
- 上記パソコンがネットワークに繋がっていること
- もし2でネットワークに繋がっていなければ、USB型のWi-Fi受信機(1000円程度)を差せること
上記1−3が満たされていれば、遠隔操作は可能です。ただし、基本的に分析機器のパソコンはネットワークに繋がない想定になっていると思いますので、もし遠隔操作目的でネットワークに繋ぐのであれば、自己責任で。
操作したいパソコンにSplashtopストリーマーを入れ、自分のパソコンにSplashtopのクライアントアプリをインストールすれば、遠隔操作できるようになります。接続先と接続元が同じネットワークであれば、無料利用できますし、異なるネットワークであれば、年間2000円ほどお金を払えば遠隔操作できます。
次の画像は自分のノートパソコン(Mac)から、離れた場所にあるGC(Windows)の画面です。オートサンプラーがあれば、遠隔操作で次々と分析や解析ができます。
ファイルの受け渡しは、Onedriveを仕込んでおけば簡単にできます。
こういう遠隔操作は、自分が保有している機器だけでやってくださいね。くれぐれも大学の共通機器にはやらないようにしてください。
2024.6.14 バズりました
私の個人Xでつぶやいた内容がバズりました。壊した器具はほんの一部で、他にもあるのですが。。。。(以下、略)
2024.6.13 NMR測定エラー
多くの大学でJEOLのNMRを利用していると思いますので、情報共有のために今日あった出来事を記載します。学生から1H NMRが測定できないとの連絡を受け、エラーメッセージを確認。いろいろと調べてみると特定のサンプルで次のような症状がでることがわかりました。
グラディエントシム中止され、そのまま測定が始まるものの、エラーで測定データが保存されない
すぐにJEOLに連絡して復旧作業をお願いしました。
調査していただいた結果、原因が判明しました。
測定サンプル名が「ある一定の長さ、かつ全角文字が入っている」場合に、グラディエントシムがかからず、測定ができない。原因は、ソフトウエアのバグ。
測定サンプルに日本語(全角)が入っていて、このような問題は起こらなかったのですが、ある特定の条件に当てはまると測定できないみたいです。ソフト(Delta)のアップデートをしないと解決できないバグですので、皆さんも気をつけてください。
測定サンプル名を「全て半角英数字」にすることでこのエラーは回避できます。
2024.6.5 折り返し
6月に入りました。久々のブログ更新です。
5月のゴールデンウィーク開けから始まった3年生の化学系実習(月・火午後)も折り返しになり、全8週間のうち、4週間が終わりました。化学系実習も3年目ということもあり、だいぶブラッシュアップされて効率的にできるようになりました。
実験は安息香酸メチルにフェニルグリニャール反応剤を反応させ、トリチルアルコールを合成します。2日間で完結するようになっており、だいたい70%以上の収率で目的物が得られます。
実験の手順書も公開しますので、参考になれば幸いです(編集可能なWordファイルが欲しければご一報ください)
2024.4.16 新年度
新年度になり、新4年生が研究室配属になりました。他大学でもそうだと思いますが、例年通り有機系はあまり人気がありません。そのような状況でも化学系研究室には6名(男4,女2)が配属され、そのうち、2名が萬代グループに加わることになりました。
6名の学生を教員3名に振り分ける訳ですが、研究テーマを提示して学生に選んでもらうシステムを採用しています。
ということで、今年度は5年生2名(8月から実務実習へ)、4年生2名の計4名で研究を進めていきます。
またありがたいことに、今年も財団の研究費が採択され機器を買うことができます。また機器が入りましたら、その詳細をブログにアップします。
2024.1.21 2024年
ご無沙汰しております。2024年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
このブログ、ほとんど更新できていないのですが、結構観てくださる方々がいて参考にしていますと言ってくださるので、ありがたいですね。独立PI向けの情報発信を意識していますが、思ったより皆様のお役に立ててそうでよかったです。
さて、うちの薬学部一期生もCBTが終わり、ようやく卒業研究に専念できそうです。昨年4月に配属されてから、基本週1回の卒業研究の時間がありませんでした(他の曜日は講義)。しかも、その時間にCBTの対策補講とか模擬試験が入ってくるので、なかなか集中して研究ができないのでフラストレーションがたまっていました。また実験をやらせていると、あの研究室はCBT対策をしていないとか噂が流れ、ブラック研究室のレッテルを貼られてしまいます。
この春から一期生も5年生に進級するわけですが、今度は薬局実習と病院実習が始まってしまいますので、一年の半分はラボにいません。半年で卒業研究をある程度まとめないといけないので、なかなか難しいというか、どこを落とし所にするか悩みそうです。
2023.10.6 GC購入
またまた久々の投稿です。後期が始まりました。講義2コマと薬学基礎実習(週1回4週間)を担当します。さて、この8,9月はいろんな締切(書き物)と雑用に終われ、ほとんど記憶がありません(笑)。戻れるものなら8月上旬まで戻りたいものです。
念願だったGCクロマトグラフィーが先週納入されました。島津製作所のGC-2014(検出器FID、オートインジェクター付)です。ついでに水素発生機も購入しました。
もともとHPLC マンなので、GCのことはよく知りません。機種選定にあたり色々と検討しました。まずキャリアガスですが、一番感度がいいのがヘリウム、次に水素(ヘリウムの1/3から1/5まで感度低下)、そして窒素(ヘリウムの1/10まで感度低下)の順になります。最初にヘリウムを使うことを考えましたが、昨今の情勢から新規のヘリウムガス購入の契約は断られました。私が購入実績があるGCMS用の高純度のヘリウムボンベ(7000L)は、6諭吉(昨年の価格の倍)、納期6ヶ月以上でしたので、これも断念しました(ルーチンで使用する機器なので)。
窒素は一番安いのですが、最適な分離能を示す線速度(カラム流量)は範囲が狭いと言うことで、キャリアガスは水素が選択肢として残りました。しかし、水素は可燃性ガスなのでその取り扱いには注意が必要です。ということで、水素ボンベではなく水素発生機を置くことで少しだけリスク回避をすることにしました。
キャリアガスを変更する(島津製作所)
もともとGC-MSは学科共通のものがありますが、今回のGCの購入で分析機器がほぼ揃いました。ガンガン分析していこうと思います。
2023.7.7 研究室配属
ご無沙汰しております。久々のブログ投稿となりました。色々と忙しくて。。。。この4月に化学系研究室全体では6名の配属となり私のところに2名の女子学生(一期生、4年生)が配属され、賑やかになりました。
4月からの新メンバーの参加により、研究室の活気が一層高まりました。まず最初に、ガイダンス的なこと実施しました。例えば、私たちの研究に必要な、SciFinder、NMR解析ソフトの使い方、ChemDrawの使い方などををレクチャーしました。ChemDrawは分子構造を描くためのソフトウェアであり、化学反応の設計や分子構造の解析に役立ちます。
さらに、私たちは電子実験ノートの使い方も学びました。本学ではChemOfficeのサイトライセンス契約を結んでいる関係で電子実験ノート(SignalsNotebook)が無料で使えます。電子実験ノートは実験の計画、結果、観察、考察などをデジタル形式で記録するためのツールです。実験手順や条件、データの取得方法などを詳細に記録することで、研究の再現性や結果の評価が容易になり、教員とノートを共有することで進捗状況を把握できるようになります。
まだ講義があり、研究に集中できる状態ではありませんが、練習実験が順調?に進んでいます。ChemDrawと電子実験ノートの学習を通じて、新メンバーは研究における基礎的なスキルを磨きました。彼女たちの積極性と意欲に期待しつつ、新しい研究に取り組んでいる所です。
2023.1.25 研究室紹介
来年度から研究室配属があり、いよいよ卒業研究が始まります。昨日、現3年生(1期生)に向け研究室紹介を行いました。
本学は大講座制を採っており、教授、准教授、助教はそれぞれ独立PIとして研究活動を行っていますが、学生の研究室配属に関しては各研究分野(有機系なら一括り)で募集し、そこからどの教員のもとで研究を行うか決めることになります(いろいろ揉めましたが、今年度はこの配属方法となりました)。各研究分野で募集人数が決まっているので、溢れた場合は成績により決めていくことになります。
学生の前での研究室紹介は、他の先生にお任せしたのですが、学生に配る冊子での研究室紹介は次のように私は書きました。
本研究グループは、有用な有機化合物を効率的に合成する方法を開発しています。特に有機分子そのものが触媒となる有機分子触媒を開発して、不斉合成へと展開することに興味を持っています。また天然からわずかしか得られない生物活性化合物を化学合成して、その生理活性を評価しています(他大学との共同研究)。いわば、積極的にものづくりを行うグループです。そのため動物は扱いません。本グループに配属された学生は、3年間で有機化学の知識と合成化学の技術を身につけてもらいますので、手取り足取り指導します。論文発表や学会発表も積極的に行っていきます。有機化学の勉強会やCBT対策を実施しますので、成績が悪い学生でも大歓迎です。研究テーマや研究室生活については個別に説明しますので、遠慮なく研究室を訪ねて下さい。
【本グループ配属に向いている学生】 実験が好きな人、成績が悪くてもやる気のある人、(原則)毎日研究室に来られる人、約束・ルール・時間を守れる人、協調性がある人、報連相ができる人、合成化学の技術を習得したい人、機器分析(NMR, HPLC, GCMS, LCMS, IR)技術を習得したい人、研究職に興味ある人
細かい研究テーマを書いても学生にはよく分からないと思うので、詳細は書きませんでした。また学生の人気が出るような甘い言葉を羅列しても、学生と私の双方にとって良くないと思いました(こんなの聞いてない!?みたいなのを避けるため)。薬学部で一番大事なのは、CBTやOSCE、薬剤師国家試験を突破することです。ただ、自由に研究生活に没頭できるのも、この卒業研究ですので、ぜひ学生には研究の面白さや醍醐味を味わって欲しいのです。そういう理由で正直にどんな人に来て欲しいか、可能な限り柔らかい表現で書いたつもりです。また私自身もそうでしたが、有機化学の成績ってあんまり関係ないと思うんです。
とりあえず今回の研究室紹介をもとに学生が研究室に訪ねてくれたら嬉しいですが。。。どうでしょうかね。2月下旬に第一回目の希望調査が出るので、どうなるか楽しみです。
2022.12.16 高校訪問
こんにちは相変わらず講義、雑用、実験に追われ自転車操業の毎日です。
さて、今週の13日(火)に高校訪問に行ってきました。私が担当する高校は知多半島にある3つの高校で、年4回訪問することになっています。今回は3回目の訪問で年内入試の結果と、急遽決まった新しい学費免除制度を伝えるミッションです。来週から高校の保護者懇談会が始まるとのことで、その前に高校訪問に行くことになりました。
年内入試の結果については、内部資料のためここでは公開できませんが、新しい学費免除制度については大学のホームページに公開されているので少しだけ言及します。
この制度は、来年1/29に実施される一般選抜入試Aで70%以上の得点率があれば、学費がある程度免除される制度です。別の薬学部奨学生制度も利用すれば、学費が年間40万円でいいという、太っ腹な施策になります。継続の条件はありますが、継続できれば40万円×6年で済むことになります。これは国公立大学よりも安い水準となります。
本学は新設の薬学部ということで知名度が低く、開設から3年間、100名の定員を満たしたことがありません。今回紹介した学費免除制度によって、多くの学生を迎えたいということでこういったインパクトのある制度を作りました。ぜひ多くの受験生に本制度が認知されるように願います。
高校訪問のあとは、お友達のI学院大学のK先生のところにお邪魔しました。前職場も同じだったこともあり、仲良くさせてもらっている先生です。お互い私立薬学部ということで、色々な情報交換をさせてもらいました。またそこのH助教とも初めてお会いすることができました。どうやらこのブログを見てくれているみたいで、お恥ずかしい限りです。このNMR洗浄機も実際に研究室で活用されているようで嬉しいですね。
話は変わりますが、この前の学科会議で来年度の研究室配属の事が議題として出てきました。私の所にも数名配属される予定ですので、近々、現3年生向けの研究室配属の資料を作成したいと思います。
2022.11.2 機器購入
ブログの更新、しばらくぶりになってしまいました。9月は科研費の申請と夏季補習の準備や実験などで時間が取られ、10月は講義(有機化学IとIVの週2コマ)と薬学基礎実習(全4回)があり、また学生面談を16件をこなす感じで時間があっという間に過ぎてしまいました。
私立大学は国立大学と違って雑用が多く、「え、そんなことも教員がやるの?」という事がしばしばあります。いかにしてそれを回避しつつ(いやな感じを出さないで)、自分の研究時間を確保するかが大事だと思います。そうしないと限られた時間があっという間になくなってしまいます。
さて話は変わりますが、最近、新たな機器が納入されました。
一つ目は日本分析工業のリサイクル分取HPLC LaboACE LC-5060 Plus IIです。前から欲しかったGPCで分子量で生成物を精製するという代物です。分取はマニュアル式ですが、色々と自動化されている最新機種です。シリカゲルクロマトグラフィーなどでは分離できないが、GPCなら分離できる場合があるので、これ1台をもっていると強いです。本体に加えて、検出器はRIDとUV同時四波長で化合物を検出できるようにしました。
日本分析工業の方に伺うと、この機種はバカ売れしているそうで、大体の合成系の研究室で購入されているようです。直列に2本つないだカラムも、軽自動車が変えるぐらいのいい値段がしますが、他大学の先生の紹介と言うことで安くしてくれました。これからガンガン使う機器だと思います。
そして、東京理化のケミステーションと耐圧反応容器(6 MPa対応の特注品)2個も納品されました。オートクレーブ(耐圧反応容器)はもっていた方がいいだろうということで、色んな先生から情報を集めた結果、この機種に行き着きました。
まずこの耐圧反応容器のいいところは、手締めで容器を締められることです。大体のオートクレーブは、レンチとか使って、容器を締めるのですが、これは手締めで済むのです。楽ちんですよ。またヘッド部は高圧を掛けられるように6MPaにしました。標準品は2 MPaまでなのですが、高圧を掛けたかったため、6 MPaにしております。そのため特注品で、納品まで3〜4ヶ月掛かりました。この耐圧容器も来年度にはあと3本追加する予定です。
ケミステーションの方は、200 ℃までの加熱と冷却もできます(冷却装置が別途必要)。オートクレーブだけではなく、シュレンクなどもさせるみたいですが、今のところ使わないと思いますね。
武器が色々と揃ったので、機器紹介のページを近々追加したいと思います。
2022.8.2 研究活動に使用する有料WEBサービスについて(追記)
2022.8.2 Grammaly, DeepL Pro, Splashtop personalのサービスについて2021.5月に投稿した記事に追記しました。
今やノートパソコン1台あれば、文献調査、研究費申請、論文執筆、発表資料作成などいろいろな仕事(研究)ができるようになってきました。また様々なWEBサービスやクラウドが活用できます。私の場合、ノートパソコン1台(MacBook Pro 15インチ,2018版)をモニター2台(49インチ5Kワイドモニタ+24インチ縦置き)に繋いで、研究室では仕事をしています。詳細はこちら。
今回は研究活動に使用しているWEBサービスやクラウドをご紹介したいと思います。
SciFindern (大学契約)
本学では幸いSciFindern(サイファインダー エヌ)の契約をしているので、大学内のネットワークに居れば、随時検索できます。昔のSciFinderと違って、SciFIndernは逆合成解析をしてくれる(既知、未知含め)機能があるようです。この機能はほとんど使っていません。また特許情報も制限なしで取得できるようになりました。
英辞郎 on the WEB pro(研究費で契約、年間3630円)
オンライン版の辞書で、pro版を契約しています。論文を書くときには、常にこの辞書を使っています。おかげで紙の辞書は全く使っていません。Pro版は収録語数と例文が多いのが特長です。自分専用の単語帳も作成できます。無料版もありますが、一回、Pro版を使うと戻れないです。また様々な検索かけることができ、私がよく使う頻度集計は、ある単語の前後にどのような単語がくるか、なんていうもの調べられます。例えば、ある動詞の後にくる前置詞は何か調べたいときに重宝します。
ATOKパスポートプレミアム(研究費で契約、年間6600円)
WindowsとMacの両方に対応した日本語入力システムです。1契約で10台のパソコンにインストールできます。例えば、Macで単語登録をしたら、クラウド経由でWindowsに同期されるので、パソコンごとに単語登録しなくてよくて大変便利です。また定期的にクラウド経由でキーワード登録されるので、流行の言葉でも一発変換できます。この他、オンライン校正やクラウド辞書など様々な機能をもっています。またこれに加えて、Wordのカスタム辞書にはChemistry dictionaryをインストールしています。詳細はこちら。
Grammaly(研究費で契約、年間$86.4(キャンペーン時に契約、通常$144))
有機化学のブログたゆたえども沈まず-有機化学あれこれ-の記事に触発され契約を決断。英文の「てにをは」を直してくれるWEBサービスです。論文投稿時には英文校閲に依頼しますが、リバイスの原稿やカバーレターまでは英文校閲には出しませんので(破産します)、このGrammalyで一応文章をチェックします。ただ、受動態はことごとく指摘されますが、ほとんど無視しています。無料でも使用できますが、ファイルを丸ごとチェックするために契約しました。
DeepL Pro(研究費で契約、年間9000円)
これもGrammalyと同様の理由で契約。論文査読の英文がおかしくないかのチェックで使っています。無料版でも使えますが、課金してみました。使い勝手はいいですよ。
番外編
Evernoteプレミアム(研究費で契約、年間5200円)
クラウドベースのメモアプリです。私は、ScanSnap ix1500でスキャンしたデータをクラウド経由でEvernoteに入れています。プレミアム契約すれば、アップロードしたファイルの中身(WordとかPDF)を検索できるので、会議の資料や議事録を全てここに放り込んで紙は捨てています。また伝票も必ずスキャンしてここに保存しています。プレミアム版だと月間で10GB保存できますが、正直そこまで使いません。無料版だと月間60MBの保存容量でファイルの中身まで検索できません。
Splashtop personal(年間$16.99)
パソコンを遠隔操作するソフト。Splashtop streamerを操作したいパソコンにインストールし、別の端末からクライアントソフトでログインすることで遠隔操作できるソフトです。同一LAN内のパソコンは無料、異なるLAN同士では有料版が必要です。
特別な設定は不要で、遠隔操作が可能です。このソフトは、測定機器にインストールして離れた場所から操作しています。例えば、自分のHPLCにインストールして、自宅から分離条件の探索やら、データ処理をやっています。HPLC純正の遠隔操作ソフトもあるようですが、うん百万円するので、それと比べるとかなり格安です。
ということで、今回は研究活動に使用している有料WEBサービスを列挙してみました。
2022.7.14 発表
先週の9日(土)に愛知学院大学薬学部で開催された第68回日本薬学会東海支部総会・大会に参加し、口頭発表を行ってきました。
発表内容はこちら。
N,N-4-ジメチルアミノピリジン N-オキシドを用いるアルコールの触媒的シリル化反応 (1 岐阜医療科学大薬・2 岡山大院自然)
○萬代大樹 1、松浦悠一郎 2、マフザ ファティン 2、光藤耕一 2、菅誠治 2
もうすぐ論文が出るところまで行っておりますので、内容の詳細はまた後日紹介します。
東海地方の薬学部の先生方が主に参加される学会で、毎年この時期に開催されます。今回久しぶりに対面の学会に参加して、お知り合いの先生方と久々に会うことができて大いに刺激を受けました。
いつもは有機系の懇親会が開催される訳ですが、このご時世なので残念ながら懇親会はありませんでした。結局、岐阜薬科大のI先生、Y先生、名城大のS先生、そして私の4人で焼肉に行って大いに懇親してきました(写真撮るのを忘れた)。やっぱり飲み会って大事ですね。。。
次回は名古屋大学で開催とのことなので、今から楽しみですね。
2022.7.8 コンビニエバポ購入
ブログの投稿も滞っておりますが、前期の化学系実習の終わり、比較的平和な日々を過ごしております。
さて、今年度も様々な機器を購入予定ですが、その第一弾としてバイオクロマトのコンビニエバポC1・スターターセットが納品されました。
この機器は、バイアルに入った少量サンプルの溶媒を飛ばす装置で、特にDMFやDMSO、水などを短時間で留去できます。4月にデモ機をお願いし、便利だったので購入しました。アルミビーズの所にサンプル管を置き、上から特殊な溝が掘ってあるプラグで抑えて使用します。例えば、DMSOでNMRを取ったあと、サンプルを回収、なんてこともできます。
今回、ダイアフラムポンプも一緒に購入しましたが、手持ちのダイアフラムでもOKです。右側の本体は20万円、ダイアフラムも20万円程度です。
2022.5.27 追われる日々
新しいホームページを立ち上げたにも関わらず、ブログが更新できていません。今、色々と書類書きに追われている最中ですので、6月になったら定期的にブログの記事をアップしたりしたいと思います。
よろしくお願いします。
2022.2.25 定期試験終了
後期の担当科目の有機化学I(薬学科1年生)と有機化学IVI(薬学科2年生)の定期試験が先々週に終わりました。初めて2コマ同時開講を担当するということで自転車操業がずっと続いていましたが、何とか無事に終わることができました。
ただし、定期試験の結果は全体的に良くなかったです。有機化学をあまり理解していない学生にいかに勉強をしてもらうか、日々模索中です。
授業評価アンケートの結果を見る限り、講義のスタイルは満足してもらえたのかなと思っています。毎回、課題を配って解いてもらい、次回の講義の冒頭30分かけてどのように問題を解くか、答えだけではなくどのように考えれば良いかを中心に解説したつもりです。このスタイルは来年度も続けていきたいと思います。
2022.1.12 『集まれ、みんなのラボのDIY!』1位受賞しました。
明けましておめでとうございます。妻に隠れてブログをやっていたのですが、某K大学のM先生の年賀状で「ブログ拝見しています」のコメントで見事に妻にバレました(笑)。でも私は元気です。
さて、昨年末にケムステで開催された『集まれ、みんなのラボのDIY!』に、私も恥ずかしながら投稿したところ、見事1位に選ばれました。ありがとうございます。いいねとリツイートの数が半端なかったです。Twitterに投稿したのは、短い動画でしたが、完全バージョンのブログ記事はこちらです。
結果発表のケムステ記事はこちらです。
まあ色々お金をかけない工夫をやっていますので、またいいものができたら紹介したいと思います。
2021.12.16 日本薬学会東海支部特別講演会
昨日、本学にて日本薬学会東海支部特別講演会を開催しました。
今回お招きしたのは、公私ともに仲良くさせていただいている飲み仲間の岡山大学病院の大森先生と東京大学薬学部の竹内先生。私が留学していた2008年にボストンで知り合った方々です。大森先生とは、日本に帰ってきてからも共同研究をさせていただいている間柄で、昨日もその共同研究の内容もお話いただきました。講演のあとの質疑応答も活発に行われ、講演会は無事に終わりほっとしています。
2021.10.14 近況
ブログの更新も滞るぐらい9月、10月は忙しい日々を送っています。9月は科研費や財団の研究助成金の作成、有機化学の補講、実習準備、資料作成、実験などに追われ、10月は講義2コマ(有機化学Iと有機化学IV)と薬学基礎実習の準備に追われています。少しつづ日常を取り戻していますが、ペースを掴むまでは毎日が自転車操業と言った感じです。
さて、最近はディスカッション用にノートパソコンの画面を投影する大型モニターとテレビスタンドを購入しました。研究室では、プロジェクターで投影するスペースがないためモニターを選択しました。
購入したのは、SONYの55型4Kモニターの法人モデル(FW-55BZ30J/BZ)。思ったより安くて、10万円台前半で購入することができました。テレビチューナーはついていないので、テレビは見られません。探せばもっと安いモニターもあると思いますが、やはりちゃんとしたものが欲しいということで、SONYにしました。55型と50型で迷いましたが、55型で良かったと思います。
モニター購入に合わせて、可動式のスタンドも購入しました。サンワダイレクトのテレビ台で、安いけど、しっかりとした作りで満足しています。
あとはWEB会議用のカメラが欲しいなと思っておりますが、購入はもうちょっと先でしょうかね。。
2021.8.27 クーゲルロール
前のブログにも書きましたクーゲルロール用の特注試料球と冷却球が届きました。色々と組み合わせで使えるので、蒸留の幅が広がりました。某科学よりもかなり安価に作っていただき、感謝です。
2021.8.18 研究室の感染対策
ここ最近、新型コロナの感染者数が激増していて、東海地方も過去最多の感染者が出ています。本学では、教員の部屋の前に学生室が設置されており、不特定多数の学生が出入りしますので、さすがにこれはまずいと思い、研究室でも感染対策を強化しました。
アマゾンで足踏み式の消毒液スタンド、消毒液、アクリルのパネルを購入しました。どれも比較的安いので大した出費ではありません。
足踏み式消毒液スタンドは安いですが、しっかりとした作りで全く問題ありません。
アクリルのパネルの大と小
価格は安いですが、それなりの強度はありそうです。
これでどれだけデルタ株を防げるかは不明ですが、何もしないよりもマシでしょう。。
2021.7.30 ガラス器具
先日購入したクーゲルロールには、標準の試料球(10 mL)と冷却球が付属していますが、容量が小さくごく少量の化合物しか蒸留できません。そこで、より大きな試料球と冷却球を使いたいと言うことで、その特注品の見積を、某S科学にお願いしたところめちゃくちゃ高価(かなり考えるレベル)。そこで私がいつもガラス器具製作をお願いしている某製作所に同じものの見積をお願いしたところ、想像を遙かに超える桁が1つ少ない価格でした!!いやー、これだけ価格が違うとは思わなかった。即決で某製作所にお願いしました。
試料球 20 mL 29,400円(S科学)→ 3,000円(某製作所)
冷却球 20 mL俵型 44,100円(S科学)→ 5,000円(某製作所)
冷却球 10 mL 39,200円(S科学)→ 5,000円(某製作所)
*全て税抜き価格
私の研究室で使っているガラスというガラスは某製作所で製作をお願いしており、市販品の6割ぐらいの価格で作ってもらえます。まさかクーゲルロール用の試料球と冷却球がここまで安いとは驚きです。
2021.7.22 6又アダプター
東海地方も梅雨が明けて、本格的な夏になりました。外は暑いし、湿度が高いので実験室の中は25℃ぐらいの室温を保つようにエアコンを常時運転させています。
さて、前にもブログに書きましたが、反応開発は小スケールで実験を仕込むことが多いです。そのため反応液のエバポも大量にやります。今までは、1つ1つサンプル管をアダプターに付けてエバポをしていたのですが、さすがに面倒くさくて時間がかかるということで6又アダプターを購入しました。
試験管はスリ付き試験管を用いる必要があるのですが、一挙に6本、濃縮できるため非常に便利で時短に繋がりました。試験管濃縮器みたいな機器もありますが、このアダプターがあれば十分ですね。実際に動いている様子は、下記の通りになります。
2021.7.14 エアコン風よけ
もうそろそろ梅雨明けの時期ですが、7月に入ると気温と湿度が高くエアコンをフル稼働させて実験室の温度を一定に保っています。ほとんどの大学では、天井に埋め込み式の業務用エアコンを使っていると思います。業務用はパワフルなので、エアコンの風が直接身体に当たって寒いとか、天秤に風が当たって不安定になるとか悩ましい問題が出てきます。
私の居室にもエアコンがありますが、ちょうど風がデスクに当たる位置にあり、どうしても寒い。かといって温度を上げるとちょっと蒸し暑い。エアコンの風をうまく分散させるプロペラみたいなものは高かったので(2-3万)、その他のものを探していたら、いいものを見つけました。
エアコンの吹き出し口に設置するカバーみたいなもので、2枚で3400円です。両面テープで固定していて中華製のちょっと怪しい商品ですが、これを風の吹き出し口に設置すると見事に直接風が当たりません(金属製のクランプも付属していますが、残念ながら当方のエアコンには付けられませんでした。落下防止のため、たこ糸で結んでいます)。
エアコンの風に悩まされている場合は、ぜひお試しください。
2021.7.6 ワクチン接種
先日、ワクチン接種の2回目(ファイザー製)を済ませてきました。近隣の病院のキャンセルリストに登録しており、そのため早めの接種となりました。まわりの話を聞くと、2回目接種後は副反応(発熱、倦怠感)があると言うことでしたが、幸い少しの腕の痛みだけで副反応はありませんでした。
ワクチン接種は済ませましたが、抗体ができるまで2週間はかかりますし、引き続き感染対策を取っていきたいと思っています。
ところで本学の可児キャンパスでも、岐阜県のワクチン接種会場としてキャンパスを貸し出す計画です。
2021.6.29 備品購入(クーゲルと真空計)
小スケールの蒸留には、クーゲル装置が欠かせないですが、うちにもようやくクーゲルとデジタル真空計が来ました。
クーゲルは柴田のGTO-1000型で、クーゲル蒸留はもちろんのこと、オプション品をつければ昇華精製や加熱乾燥にも対応できる優れものです。ずっと前から欲しかったのですが、柴田とビュッヒしか販売されておらず、しかもセール品にならないので後回しになっていました。これでようやくクーゲル蒸留ができる環境が整いました。競争相手が居ないので、まあいい値段しますね。。。
あと減圧蒸留に必要なデジタル真空計も併せて購入。学生時代は水銀の入った回転式マノメーターを使っていましたが、今は販売していないのでデジタル式のものを選定することに。某I学院のK先生や某N大のH先生が愛用しているバキューブランドの真空計を購入しました。スペックは悩んだのですが、研究室にある佐藤真空の真空ポンプが0.67Paの到達真空度なのでそれも測れるVACUU・VIEW extendedにしました。
これらの機器は頻繁には使い物では無いけど、研究室に1つは欲しいモノなのでようやく揃える事ができました。
2021.6.22 基礎化学(全8回)の講義終了
臨床検査学科、放射線学科の選択科目、基礎化学(前期前半、全8回) の講義が全て終わり、定期テストも無事に終わりました。履修人数は170人超なので試験はマークシート形式でした。マークシート形式の採点は楽ですが、問題を作るのが難しいですね。
平均点は82点ぐらい。試験問題が簡単すぎたのかな。。。
この講義を担当して、3年目ですが、段々と講義の形ができつつあります。昨年から2学科同時開講の講義となり、大ホールでスクリーンのみ使用できる状況です。私としては、板書の時間も設けたいということで(化学は書いてなんぼの世界)、iPadで講義スライドを投影しつつ、板書が必要な時は、Noteshelf2というアプリで手書きをして講義しています。また今回は、講義時間内に演習問題を学生にやらせて、その詳しい解説を講義中にやる形式にしたのでそれも良かったのかな。
教科書は、裳華房のコメディカル化学という教科書。化学を専門としていない学生向けの教科書で分かりやすく書かれています。また教員用に図表のファイルを提供してくれるので、大変助かっています。
前期はこれでもう講義は無し。後期は有機化学IとIVの週2コマ+実習(少しだけ)なので研究に集中できるかな、、、と思っています。
2021.6.9 小スケールでの分液テクニック
反応屋は1回に何個も反応を仕掛けます。学生時代は、実験台の上で反応が回っていないと、よく叱られたものです。
テクニックという程でもありませんが、何個も試験管で小スケールの反応をかけたとき、いちいち分液ロートを振りますか?面倒ですよね。何個も後処理しなければいけないときは、ピペット分液が役に立ちます。
まず短いパスツールに綿を詰めて硫酸マグネシウムを充填したものを用意します。
反応をクエンチした反応器(試験管)の上層(有機層)だけピペットで吸い上げ、先ほどのパスツール通します(下記写真参照)。その後、何回か酢エチで水層抽出→パスツールで有機層だけ吸い上げる→硫マグパスツールに通す、の作業を繰り返しすると、脱水された有機層のみ得られます。私の場合は、クエンチ前に内部標準を添加しているので、少々、有機層をロスっても大丈夫です。
集めた有機層の10 mLバイアルは、アダプター(詳細は以前の記事を参照)をつけて濃縮です。その後、NMRを取ってNMR収率を算出します。
塩化メチレンなど、下層が有機層、上層が水槽でも適用できます(パスツールで下層の有機層のみ吸い上げるだけ)。こういう分液のやり方は、沢山の小スケールの反応の後処理に便利ですので、ぜひお試しください。
2021.5.27 おすすめのTLC発色剤
TLCの発色剤(ステイン)は何をお使いでしょうか?
私が学生時代に属していた向山研究室では、リンモリブデン酸ナトリウムをよく使用していました。TLCの発色剤のレシピはネットで公開されており、特に有名なのが東大金井研のレシピだと思いますが、リンモリブデン酸ナトリウムの記載はありません。
アメリカに留学していたころ、そこの研究室にあった発色剤では、気に入ったのが無くて、向山研の後輩にレシピを聞いたぐらい気に入っていました。
ということで、リンモリブデン酸ナトリウムはあまりメジャーでは無さそうですが(間違っていたらすみません)、おすすめの発色剤なので、そのレシピを公開します。ほぼ全ての有機化合物に有効で、長時間スポットも消えないのが特徴です。学生実験でどの発色剤でもダメだったのが、これでうまくいったという代物です。
- リンモリブデン酸ナトリウム
<特徴>有機化合物全般に使える.発色がよく,時間が経ってもスポットが消えにくい.
リンモリブデン酸ナトリウム(Na3[PO4・12MoO3]・nH2O 12 g
リン酸(H3PO4) 7.5 mL
濃硫酸 25 mL
H2O 500 mL
ちなみにTLCの見た目はこんな感じです。
2021.5.20 保護メガネとマスクの相性
岐阜医療科学大学薬学部は岐阜県と愛知県の県境にあり、新型コロナウイルス感染感染者も過去最高となっています。愛知県は緊急事態宣言が発出されており、いつ自分が感染してもおかしくない状況にあります。
うちの研究室はまだ卒研生がいないですが、教員と研究員あわせてそれなりの人数が居ますので、実験中の感染対策は大事になってきます。
私も実験をするときには当然保護メガネとマスクをするのですが、湿度の高いこの時期は保護メガネが曇ってしまいイライラします。
保護メガネは山本光学のLF-501(軽くて長時間つけても耳が痛くなりません。オススメです)を使っているのですが、これに不織布のマスクを組み合わせると、前が見えないぐらい曇ります。ただミズノのマウスカバーを使うと、ほとんど曇ることがありません。マスクと顔の密着具合がちょうどいいからですかね。ここ最近、実験する機会を増やしているので、マウスカバーを追加で購入しました。
ということで、今回は保護メガネとマスクの相性についての話でした。
2021.4.28 研究費
ここ最近はいろいろな書類書きや雑務に追われている日々を過ごしています。特に研究費獲得の書類書きはPIにとって重要な業務の一つです。毎年、ある程度の研究資金を確保できていないと研究が進められませんし、研究が進まないと業績が無くなってしまいます。そして業績が無いと、研究費獲得も不利になってくると言う負のスパイラルに陥ってしまいます。
私は2年前に岐阜医療科学大学に異動してきて、研究室の立ち上げを経験しました。前所属から持ってきた機器類(HPLCやUCリアクター、スターラー、オイルバス)などの備品は最低限で、ナスフラなどのガラス器具は数千個もらえたので、それを持ってきました。もちろん学生はいませんし、私を含めて研究員との2名体制でしたが、それでもやはり立ち上げには1000万弱使いました。有機系はちまちまとした物品が多く、チリも積もれば。。。ということで馬鹿になりません。エバポレーターなどの高額機器は学科のものを使わせてもらえたので、それが無かったらもっとお金がかかっていたと思います。
自分自身はこのキャリアをスタートしてから全く研究費が獲得できなかった暗黒時代があります。しかしコンスタントに年平均10個ぐらい研究助成金に応募するようにしています。運が良ければ、3~4個当たりますし、1つだけの年もあります。ものすごく期待していた財団がダメだった一方、締切間際2日ほどで仕上げた雑な申請書でそれほど期待していなかった研究費が当たる事もあります。
4月に入り科研費採択の情報がちらほらと入ってきます。とある友人が基盤Bを取ったので、いきなり携帯に電話してどういう戦略で応募したのか聞いてみました。彼はかなりの戦略家で、公的、民間財団を含めてありとあらゆる研究費を取ってきています。彼曰く、科研費データベースを活用して過去の採択者の情報、研究課題名を調べ、また応募する分野の細目での採択課題など徹底的に調べて応募しているということでした。また別の基盤Bを取った先生は、研究の内容よりもキャッチーな研究課題名が大事だと言っていました(笑)。やはり実際に採択された方の話を聞くというのはすごく大事です。今後の参考になります。
ややとりとめのない話になってしまいましたが、研究費を取ってくるのは大事。特に実際に採択された人の話は大事という話でした。
さて、研究申請書の作成に取りかかりますかな。
2021.4.20 二刀流レーザーポインター
今回は即買いしたプレゼンター・レーザーポインターを紹介したいと思います。
大学の先生は学会発表や講義などでレーザーポインターを使われると思いますが、最近はプロジェクターでスクリーンに投影するだけではなく、モニター上にスライドを表示させて発表するスタイルが増えてきています。うちの大学でもスクリーンがある教室は少なく、教室内のモニターに投影する場合がほとんどです。またコロナ渦の影響で、オンラインでWEB発表が主流になりつつあります。
キャノンから発売されているPRESENTER PR1-HYは、プレゼンターと緑色レーザーポインターを切り替えて使えます。またWin/Macの両方のOSに対応し、USBの無線接続またはBluetooth接続にも対応しています。パソコン画面上に時計またはタイマーも表示可能です(付属のソフトをインストールする必要があります)
PRESENTER PR1-HY
https://cweb.canon.jp/laserpointer/lineup/pr1hy/index.html
まさに私が求めていたレーザーポインターということで即買いしました。通常のレーザーポインターと比べて少しお高いですが、大事な仕事道具なので仕方ないですね。後は電池の持ちがどのくらいかですね。
2021.4.13 担任制度
先週は1年生、2年生ともにガイダンス週間ということで私も少なからず出番があり、また学内委員会の会議開催などがちょくちょくあり普段より忙しい1週間でした。
今年度は1年生のイベント担当をすることになり、学生間の交流を促すようなゲームを開催しました。本当は昨年実施予定のイベントでしたが、コロナ禍の影響で昨年は中止になったイベントを1年越しに実施したのでした。
他の私立大学でもあると思いますが、本学には担任制度があります。薬学科では、講師以上の全教員が1学年3〜4名の学生の担任をすることになっており、日々の学習アドバイスや面談、成績表への担任コメント記入など、主に教育面の学生サポートを担います。学生が欠席しがちの場合や課題を出し忘れた場合は、教科担当からまず担任の方に連絡が来ますので、担任の方から学生に連絡します(笑)。かくいう私は今年度1,2年合わせて6名の担任を受け持つことになりました。
先週金曜日に1,2年合わせて6名の担任面談を実施して、2年生については昨年度の振り返りと今年度の学習アドバイス、1年生については状況把握ということで通学時間や苦手な科目などの聞き取り調査を行いました。前職でもアドバイザー教員という制度がありましたが、ほぼ教授に丸投げで主体的に面談などはほぼやっていませんので、手探り状態です。面談後は、面談票に話した内容など記録します。
今年度始まったばかりですが、担任をすることになった学生6名が無事に進級できるようにサポートしていきます。
2021.4.5 新年度スタート
岡山大学から岐阜医療科学大学に異動してきて2年が経ちました。本当にあっという間の2年間でした。そしてこの4月から薬学部2年目のスタートです。
新年度が始まって数日立ちますが、本日5日は本学の入学式。薬学科2期生が入学してきます。今週はガイダンス週間ということで、研修会や履修登録、健康診断などいろいろな行事が目白押しとなっています。私も薬学科2年生と1年生の担任を受け持ち、特に1年生に関しては行事担当者ということで、色々とお世話をすることになっています。
さて、研究室の方ですが、昨年と同様に私と研究員2名の体制でスタートします。学生の配属はまだ先(あと2年後)なので、この体制がしばらく続きます。仕事(研究)に関しては、まだ前職でやった仕事の論文をちまちま書いていますが、本当の意味で新しい仕事に取り掛かって単著の論文を出したいなと思っています。
そして私の部屋にデロンギの全自動コーヒーメーカー(形式番号ECAM22112)がきました。豆と水さえ入れておけば、豆の計量をすることなく自動的にエスプレッソやドリップコーヒーが楽しめます。便利な時代になりました。
2021.3.23 フラクションコレクター
10年前に購入した東京理化製のフラクションコレクターの基盤が壊れてしまったので、新しいフラクションコレクターと電磁弁を購入しました。どうやら岡山大学から岐阜医療科学大学に引っ越すときの衝撃?で壊れたようです。
今までフラクションコレクター山善の中圧クロマト(マニュアル式)で使っていました。そういう用途でしたのでUV検出器とフラクションコレクターの制御ソフトも持っています。
今回は違う用途(一定時間ごとに一定量の反応溶液を集める)で必要になったためフラクションコレクターと電磁弁を購入(40諭吉)。電磁弁がついていると、試験管にコレクトする時とドレイン(廃液)に行く時で弁の切り替えだけで済みますのでノズルの移動がなく、液垂れがないので試験管内がコンタミする心配もありません。ただ唯一の欠点は、フラクションコレクターの素材がTHFに弱いのでそこは注意かなと思います。
実は想定外の出費でしたが、研究に必要なので仕方ないですね。
2021.3.17 論文2報
ホームーページの全面的なリニューアルを考えていますが、なかなか時間がとれませんね。
さて光学活性DMAP誘導体を用いたアルコールのエナンチオ選択的アシル化の論文が出ました。1つは環状1,3-ジオールの非対称化、もう1つは第三級アルコールの速度論的光学分割となります。
Mandai, H.; Hironaka, T.; Mitsudo, K.; Suga, S.
Acylative Desymmetrization of Cyclic meso-1,3-Diols by Chiral DMAP Derivatives.
Chem. Lett. 2021, 50, 471-474.
Mandai, H.; Shiomoto, R.; Fujii, K.; Mitsudo, K.; Suga, S.
Kinetic Resolution of Tertiary Alcohols by Chiral DMAP Derivatives: Enantioselective Access to 3-Hydroxy-3-substituted 2-Oxindoles.
Org. Lett. 2021, 23, 1169-1174.
2報目はSupplementary cover artにも選出していただきました。背景は絵のように見えますが、写真です。岐阜県関市板取にある名もなき池(通称:モネの池)を私のiPhoneで撮影して自分でデザインしました。
2021.2.22 NMRチューブ洗浄機
Twitter上の情報を参考にNMRチューブ洗浄機を作ってみました。
2つ口フラスコの片方にPTFEチューブを通したセプタム、もう片方は減圧しています。ポイントは、PTFEの先端がNMRチューブの先端に来るように切ることと、PTFEが通るだけの小さい穴をセプタムに開けるだけです。簡単にできますので、ぜひ挑戦してみてください。
下の動画は実際の洗浄の様子です。アセトンと水を交互に通しています。
2021.2.9 Youtubeデビュー
本学薬学部薬学科広報の一環で、Youtubeデビューしました。
いつもオープンキャンパスで行っている体験実験(鈴木宮浦クロスカップリング反応)をモデルの東あさなさんに体験していただきました。少し緊張しましたが、撮影中はいらんことをいっぱい言いましたが丁寧な編集で前カットで、完成版を見てみるといい感じにしていただきました。
2021.2.5 指導マニュアル
先日、私立大学に勤める友人Kの研究室を訪問してきました。長時間にわたり、研究室や大学内を案内してくれて、色々な情報交換をして大いに刺激を受けてきました。そこの研究室では、4年生10人が研究室に配属され、つい最近、実験を始めたそうで初々しい学生さんが実験をしていました。
岐阜医療科学大学薬学部では、1期生が昨年4月に入学してきたばかりでまだ卒業研究まで2年ありますので、学生が入ってきたら入ってきたで大変だろうなと想像しています。
さて、先日のブログでは私がこれまで実践してきた化合物のデータ管理の話をしましたが、今日は指導マニュアルというか、指導するグループで実際に使っていたルールブックについてお話したいと思います。
研究室での活動は、もちろん実験が中心になってきますが、それに伴い文章を作成したり、報告書を書いたり、データを解析したり、学会で発表したりといろいろパソコンを使った作業を伴います。最初の学生さんにはしっかりそういったものの書き方などの指導するものの、その後は学生からの学生への指導となり、やがて伝言ゲームのようになっていきます。だんだんルールが曖昧になってきたり、時にこちらの意図しない方向にいったりします。例えば、パワーポイントの構造式の拡大率が異なるとか、構造式を書くフォーマットなどが崩れてきたり、などです。
私が前組織にいたときに、そういうことに悩まされてきましたので、私の指導していたサブグループ(通称、触媒組)では、触媒組の共通ルールをマニュアル化しました。とにかく、この共通ルールに従い、もし不都合があればその都度修正していきました。
今回、このマニュアルを公開しますので、ご自由に加筆修正し、必要に応じて研究室内でお使いください。WEBでの公開は避けてください。これらのルールは、私の指導していたサブグループのものですので、あくまで自己責任での利用でお願いします。当方は本マニュアルの使用にかかわる一切の責任を負いません。
ということで下にリンクを貼っておきます。
2021.1.28 化合物データの管理方法
1月下旬となり、卒論や修論の追い込み時期だと思います。これまでの経験上、序論や本論は比較的書きやすいですが、実験項のセクションになると律速になると思います。最悪なのは、化合物データを取っていない、そのため化合物を再合成しなきゃいけないこともよくあります。
また同じ教員が指導していても、学生によっては化合物データの書き方やフォーマットが異なることも。特に論文にするときに困るのは、学生が書いたものデータの形式が合わず不格好で全て書き直さなきゃいけないことです。
私が前所属にいたとき、このようなケースは多々ありました。また学生さんよっては、実験番号で全てのデータが紐付けされておらず、NMRのファイル名が desired product とかbyproductという追跡不能な最悪な名前で保存されており、学生が卒業した後にデータの場所が追跡できないこともありました。
そこで少なくとも私が指導している学生の化合物データの管理方法を統一するために、下記のルールを作りました。
1. 一化合物につき、クリアファイルを1つ用意する。
2. 化合物データカードを作成し、1枚目と2枚目を両面印刷する。
ファイルはこちら→docxファイル、pdfファイル
3. データカード、NMR, IR, ハイマス、旋光度などの印刷データ(紙)をクリアファイルに入れる。
4. クリアファイル(20ファイル程度)をまとめて紙のケースファイルに入れて管理。
5. 編集可能な化合物データカードのファイルとNMRなどの測定生データは、DVDに焼いて、4のケースファイルに同封。
2の化合物データカードには、データの記入例をあらかじめ記載しています。またチェックリスト、教員のチェック欄が記載されていて、この化合物データカードの指示に従って、学生が入力してくれれば、統一したフォーマットになるように工夫しています。1枚目の教員のチェック欄は、ちゃんと帰属が合っていればハンコを押すようにしています(教員のチェックを通ったデータなのか、学生の帰属したままのデータなのか一目瞭然)。
このルールを徹底してからは、データの管理は楽になりました。また論文のSupporting Informationを作成するときは、この化合物データカードのWordファイルをコピペするだけで簡単にSI作成できます。また論文が出版されたら、4の紙のケースファイルの背表紙に、論文名とジャーナル名、ページ番号をテプラで印刷して貼り付けています。
今回、化合物データカードのdocxファイルとpdfファイルを公開しますので、ご自由にお使いください(改変可)。
ご参考までに。
2021.1.15 NMR解析ソフトの購入
うちの大学に設置しているNMRはJEOLの400 MHzの機器ですが、これまでは無料利用できるDeltaを使用していました。ただし、Mac OS catalinaになってからはDeltaが思うように動作しなくなりました(最近、動作対応するようになりましたが動作が不安定みたいです)。
そこでMac OSでも使えるMnovaの解析ソフトを購入しました。海外では有名なソフトみたいです。日本にも代理店があり、ソフトの日本語化とサポートがしっかりしているようですが、私は直接WEB購入しました。購入したのは、Mnova Suite Chemistといういろいろなデータ解析プラグインが搭載されたものです。NMR解析だけでよいのであれば、NMRのプラグインを購入すればNMR解析ができます。必要に応じてその都度、プラグインを追加で購入できる拡張性の高いソフトですが、コンボと言われる様々なプラグインが事前に入っているプランですと、個別でプラグインを揃えるよりも格安になります。
Suite ChemistはNMR, MS, IR、定量解析、構造確認など様々なプラグインが入ったものです。Mnovaを使い始めてまだ数週間ですが、Deltaにはないいろいろな機能が搭載されています。特にオススメなのが、自動解析で、ボタン一つでNMRのピックピック、積分値設定、重溶媒の残存ピークの設定を自動でしてくれます。またNMR Verifyというプラグインは、構造式情報と各種NMRデータ(1H, 13C, dept, 二次元NMR)を照合して、どれだけ推定構造とNMRがフィットしているかスコア付けしてくれます。私の場合は、NMR Verifyをデモで使って、ジアステレオマーを解析にかけたところ、ぴったりと照合してくれました。その精度の高さに感心し、購入を決断しました。新規化合物を合成する場合は、このプラグインはかなり役立つと思います。
初めてこのソフトを使う場合は、色々と戸惑うことがありますが、幸いにして様々な動画が公開されていますので、徐々に慣れてくると思います。
YouTubeに沢山操作法がアップされています。
Mnovaのチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCf3MVnd3XZflv0acvTv14ww
リアクトのチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCYUGp8WD3GT9C6o2dG9TopQ
Mestre NovaでNMRを解析してみよう(ケムステの記事)
https://www.chem-station.com/blog/2019/07/mestre-nova.html
2021.1.5 明けましておめでとうございます。
明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
大学としては7日から仕事始めですが、年末年始は十分休養をしましたので今日から仕事に復帰しました。今年の目標は、前職での仕事をさっさと片付けて(全て論文化)して、早く岐阜医療科学大学の仕事で、単著の論文を出すことにしたいと思います。
1月は早速忙しくなる気配ですが、まずは健康を第一にして、こつこつ目の前の仕事をこなしていければと思います。また本ホームページでもいろいろな情報発信をしていければと思います。
よろしくお願いいたします。
萬代
2020.12.10 フェーズセパレーター
反応開発をしていると、まとめて反応を仕掛ける事がよくあります。後処理する数が多いと、試験管の中で有機層と水層を分けるために、パスツールピペットで分液します。
GLサイエンスからフェーズセパレーターという、有機層と水層を分けるものがあったので購入して使ってみました。Biotageからも同じようなフェーズセパレーターが販売されていますが、一部が販売中止になったとか。。。
https://www.gls.co.jp/product/spe_columns/inertsep_series/01104.html
軽い溶媒(例えば酢エチとかエーテル)を使が使えるInertSep® PS-SL は水槽がシリンジの先から落ちてきます。重い溶媒(塩化メチレン)を使えるInertSep® PS-SHは、有機層がシリンジの先から落ちてきます。これを使えば、いちいち分液をする必要がなく、後処理前の溶液をシリンジの中に入れるだけで、層分離ができます。
写真に写っているのは、InertSep® PS-SLで6 mLの容量があり、シリンジの中には有機層、下のバイアルには水槽が入っています。100本で4万円弱しますが、何回か再利用すれば、元は取れるのかなと思います。しかし、使用済みのInertSep® PS-SLを洗浄して乾燥させてみると、膜が分離しかかっているものがありましたので、再利用可能かはなんとも言えません(反応液を投入するときに、塩が析出しておりそれが原因かも)。シリンジを刺している台もGLサイエンスのもので、そこそこの値段はします。
ただ残念なのは、ホームページを見たところ、販売中止となっています。今業者を通して確認中ですが、もし代替品なしの販売中止であれば、折角フェーズセパレーターができる環境を整えたのに残念です。
2020.11.25 一斗缶カッター
有機系の研究室では、一斗缶を実験室内のゴミ箱にしているところが多いと思います。溶媒使用量の多い研究室では、ほぼ毎日、空の一斗缶が手に入ります(前所属ではそうでした)。普通の缶切りで一斗缶の上部のフタを開ける、、、なんて気の遠くなるような作業を学生さんはよくしていました。面倒なので、実験室の一斗缶ゴミ箱は古いまま(錆だらけ)なんてこともよくあります。
実は、一斗缶カッターなるものがあるんです。これは1年前に買ったものですが、非常に便利。
https://axel.as-1.co.jp/asone/d/61-6657-89/
一斗缶を開けるのに1分もかかりませんし、切り口は綺麗です。多少、バリは残りますが、普通の缶切りで開けるよりも楽です。一斗缶の上下を開けば、平らにして廃棄することもできます。
一斗缶カッター、オススメです。
2020.11.17 反応器へのアルゴンガス供給ライン
有機合成の実験では、禁水条件やアルゴン雰囲気下で反応を仕込むことがよくあります。普通は、ゴム風船にアルゴンを充填して三方コックにつけて反応器をアルゴン雰囲気下にしています。
ただゴム風船は空気を通すと言われているので、アルゴン雰囲気下で反応を仕込んでも、オーバーナイトで反応をまわすと空気が入ってくる可能性があるわけで、本当にアルゴン雰囲気下なの?と言われると「うーん」と言わざるを得ないです。
そこで風船に頼らず、反応器をアルゴン雰囲気下にするためにアルゴンガス供給ラインをガラス屋さんにだいぶ前に作ってもらいました。その写真がこちら。
左のゴム管からアルゴンが供給され、右のバブラーでガスが抜けるようになっています。特注品のマニホールドには、ルアーロックのオスが取り付けてあり、ここからシリコンチューブが延びていて、先端にはディスポのニードルが取り付けてあります。このニードルを反応器につけたセプタムにぶっ刺せば、常にアルゴンが供給される仕様になっています(ニードルの先を水につけると、ぶくぶく泡が出るぐらいの勢いです)。
このラインは便利で、例えばブチリチをシリンジで抜き取ったりするときにも利用できます。まあ風船よりはコストがかかりますが、空気が入ってくるリスクを低減することができます。
もしこのアルゴンガス供給ラインに興味がありましたら、設計図や価格の詳細を教えることができますので、お知らせください。
2020.11.12 独立PIのはなし
先日、前職で同僚だった先生で、現在は某私立大学に教授として研究室を主催されているH先生とK先生とZoomでお話しました。3人とも私立大学で独立PIですので、研究室の立ち上げの話や研究費の話、機器や器具の話で盛りあがりました。
私立と言っても大学によるサポートはもちろん異なるわけで、スタートアップ費用やラボの引越費用の補助があるところもあれば、もちろん無いところもあります。
3人で共通した認識は、研究室立ち上げにはお金がかかる。やはり、チリも積もればということで、何だかんだで1000万は必要だと思われます。うちは学生のデスクとか本棚とか家具関係は全て大学支給なので、本当にありがたいなと思いますが、それでも500〜1000万円くらいはすでに実験器具や装置に変わっております。
講座制の研究室は、お互い助け合うことはできお金にはあまり苦労しません。独立PIは常に金策に走り回る必要がありますが、研究テーマを自由に設定できる独立PIは魅力的だと思います。
2020.10.27 ソルベントサプライシステム
実習、研究用に5連のソルベントサプライシステムを学科に導入してもらいました。関東化学の脱水溶媒(SUS)缶を接続し、外気に触れることなく脱水溶媒を使うことができます。2枚目の写真には、メス型ルアーロック(別売)をつけると、シリンジを装着するだけでダイレクトに溶媒を取ることができます。
グラブスの溶媒装置が有名だと思いますが、カラムのメンテナンス費用が掛かる(噂では100万円?)ので、関東化学のソルベントサプライシステムにしました。5つの溶媒で100万はかかっていないと思います。
写真のSUS缶はTHF, エーテル、ジクロロメタンでとりあえずこの3種類を導入しました。SUS缶を購入するには、ユーザー登録が必要となります。またある程度の使用頻度がないとユーザー登録できないようになっています。今までは、500 mLの瓶で脱水溶媒を購入していました。瓶で何本も年間購入するようでしたら、こちらのSUS缶の方がかなりお得だと思います(価格が知りたい人はメールください)。
薬学科の学生さんは、実習でこのようなソルベントサプライシステムを使用することができますので、大いに活用してもらいたいと思います。
2020.10.7 最近買ったオススメ消耗品
最近買ったもので便利なものをご紹介します。
コンタミノン(洗剤)
https://labchem-wako.fujifilm.com/jp/category/00466.html
大量の試験管を1本ずつ洗浄するのは大変ということで、富士フィルム和光純薬のコンタミノンという洗剤を購入。超音波洗浄機の中に投入し(数%の溶液)、超音波にかけるだけで器具の洗浄が完了します。つい先日、大型の超音波洗浄機を購入したので、大量の試験管やガラス器具を一気に洗浄できます。手で洗うよりも綺麗になっている気がします。うちはコンタミノンNとコンタミノンUSを購入しました。
エバポバイアル瓶アダプター(14.5 mm)
https://axel.as-1.co.jp/asone/g/NCGL140054/
同僚の先生が使っていたのを見て、即決で購入。バイアルをエバポするときに使うアダプターです。今まではセプタムとディスポニードルをさしてエバポに装着していましたが、安定感はゼロ。暴れます。このアダプターのおかけで、バイアルが暴れずにエバポできます。
ラボランサンプル管瓶10 mLとスクリュー管瓶 30mLはアダプターが使えるのは確認済みです。
2020.9.8 近況報告
ブログの投稿も久々になってしまいました。7,8月はなんだかんだで日々忙しくブログの投稿も滞っておりました。
前所属での研究を論文にまとめて、ほぼ投稿する寸前のところまでいったのですが、Supporting Information作成中にラセミ体のHPLCチャートと不斉合成した化合物のHPLCチャートがないことに気づきました。当時、実験を担当してくれた学生さんに連絡をとり、ラセミ体のHPLCデータが無いことが発覚。分離条件もエナンチオマーが分かれずよく分からなかったとのこと。私がもう一度、ラセミ体の合成して分離条件を探すことになりました。
いざ実験を始めると、研究室を立ち上げて間もないので、「これがない、あれがない」のオンパレード。その都度、備品や消耗品を買っていますが、思うように実験ペースが上がらないですね。私一人と研究員2人の少人数でもそれなりの出費がかさみます。
独立した場合は、研究室の立ち上げに時間がかかるのでその辺りは注意が必要です。一応、前所属で注文した薬品やや機器類、よく購入する消耗品のリストは用意していましたが、それでも漏れがあります。独立する人もしない人も、ぜひ今の研究環境で使っているもののリストや写真は必須だと思います(同じような研究環境を作りたい場合は特に)。
ところで最近、超音波洗浄機を購入しました。無くてもいいかなと思っていましたが、やはりあった方が良いとのことで購入に至りました。
ガロン瓶が入るサイズがなかなか無くて、最終的にはアイワ医科工業(株)の超音波洗浄機を購入しました。使い勝手は非常にいいです。
https://jp.misumi-ec.com/vona2/detail/223012648211/?HissuCode=25-0028
あとは真空計が欲しいのですが、価格は10万円オーバーなのでちょっと様子見です。
9月から研究補助のパートさんが私の研究を手伝ってくれる事になりました。有機合成の経験がある方なので、大変心強いです。これからどんどん新しいことにチャレンジできそうです。
2020.7.27 新型コロナウイルス感染
もはや他人事ではなくなってきました。気をつけましょう。
2020.7.15 UCリアクターの購入
久々の投稿となってしまいました。
6月から今まで、毎日のように自転車操業です。授業の準備、向山先生の追悼本の執筆、論文執筆、実験助手の選考(いい人に決まりました。9月から勤務開始)、機器利用説明会のセッティング、薬品管理システムの導入など、次から次へと追われるような日々を過ごしております。あとは7月末の締切案件さえ片付けば、少しだけ解放される気がします。
さて、前回の投稿に引き続き、機器の購入について書きたいと思います。前ボスから、古い型のUCリアクターを譲り受け、1台は保有しているのですが、もう1台、購入しました。
それはテクノシグマの極低温反応器 UCリアクター UCR-150N-Sです。本体、1Lのアルミブロック、テフロン被覆の外部温度センターを合わせて、100ちょっとです。本体だけではダメで、アルミブロックは別売りです。外部温度センターはつけなくても温度制御は可能ですが、どうしても反応液の温度が測りたくてテフロン被覆の外部温度センターを選びました。
今回購入したUCリアクターの特徴としては、-100 ℃の低温はもちろんのこと、50 ℃まで昇温できることが決め手でした。そして、目的に応じて容量の違うアルミブロックを付け替えることができる点です。夏場に20とか30 ℃の温度をかけたい時は、苦労しますよね。それが解消できるのは大きなメリットです。
まだ試運転しかしていませんが、液量1000 mLのアルミブロックなので-80℃まで温度が下がるまで、2時間くらい掛かりそうです(カタログでもそう謳っている)。書き物が落ち着いたら、これを使って仕込んでみたいと思います。
最後になりますが、シリンジポンプ2台と制御用ソフトも購入しましたので(今年度の散財は終わり)、その使用感についてはまた次回以降に紹介できればと思っています。
2020.6.18 示差屈折検出器RID-20Aの購入
HPLCに新しい検出器を追加しました。それは示差屈折検出器RID-20Aです。キャンペーン価格での購入ですので、だいぶ安く購入することができました。これまでUVのみの検出でしたが、今後は感度は落ちるけどUV吸収が無い試料も分析できるようになります。
装置構成は下記の通り。
左からワークステーション。次の列が送液ユニット(低圧グラジエントポンプLC-20AT)、その上にデガッサー(DGU-20A)とリザーバートレイ。一番高く積み上げているところは、下からオートサンプラ(SIL-20A)、UV検出器(SPD-20A)、示差屈折検出器(RID-20A)、一番上がリザーバートレイ。そして一番右が、業者さんから異動祝いにもらったカラムオーブン(CTO-10AS)
UVとRIDは直列に繋いでいるので、同時検出が可能です。
いびつな形に積み上がっていますが、どうしても検出器は、オートサンプラとカラムオーブンの近くに置く必要があるようで、このような形となったようです。
このHPLCを買ったときは、最小限の構成でしたが、3年掛けて徐々に充実してきました。この装置を使って、バンバン分析をしていきたいと思います。
この他、UC-リアクターの最上位機種も購入しました。その話は次回にします。
2020.6.6 研究補佐員のパート
私の研究室では、研究補佐員のパートを募集しています。ハローワークに求人を出していますので、詳細はそちらをご覧ください。
求人番号 : 21060- 2193001
▼ 雇用期間 2020年7月1日〜2022年3月31日、週3、4回程度 1日4〜6時間程度の勤務、祝日、年末年始は勤務なし。
勤務日や時間などは相談に応じます。お子さんがいらっしゃる方で、病気や学校、保育所などの行事などでの急な勤務の調整もフレキシブルに対応します。採用時期は、2020年度の7月1日以降のできるだけ早い時期を希望しています。
▼賃金:1,200〜1,500円(経験を考慮する)
▼学歴 大学以上が望ましい
▼必要な経験等 有機化学の実験やNMR, HPLCなどの機器利用の経験があることが望ましいです。実験手法や知識はこちらで教示しますので、安心してご応募ください。
▼必要なPCスキル パソコン(Word、Excel、電子メール)などの基本操作ができる方
▼年齢 不問
▼勤務地
〒509-0293
岐阜県可児市虹ヶ丘4-3-3
岐阜医療科学大学薬学部薬学科 化学分野(萬代研究室)
2020.6.3 研究室のモニター環境
今回は、前から書きたいと思っていた仕事場のモニター環境を紹介したいと思います。
前の所属では、24インチモニター2枚をモニターアームで固定して、デュアルモニター(うち1枚は縦置き)を構築して、Dellのデスクトップパソコンをつなげて仕事をしていました。特に24インチモニターの縦置き環境は便利で、論文のPDFやWordファイル全体を表示することができます。ちまちまスクロールする必要がなく、もう後(シングルモニターや横置き)には戻れない体になってしまいました。
岐阜医療科学大学に来てからは、大きなデスクが自由に使えるようになりましたので、新たなモニター環境を再構築することにしました。
独立してやりたい放題な環境なので、24インチのデュアルモニターといったセコい環境ではなく、一人で運べないぐらいクソ重いワイドモニターを導入することにしました。大学からは22インチのモニターも支給されていますが、それでも15万もする大きい5Kモニターの購入一択でした。
それは、Dell デジタルハイエンドシリーズ U4919DW 49インチワイド曲面モニター です。
このモニターにした決め手は、USB-Cポートがあること、またHDMIとDisplayPortが使え、2台のパソコンを同時に出力(2画面表示)できることでした。普段使いでMacとWindowsの二画面同時表示して仕事することはほぼありません。
USB-CポートにはメインのMacBook Pro(15インチ)をクラムシェルモードで接続し、Displayportには大学から支給されたWindows 10のデスクトップをつなげています。Windows端末は退勤管理や学内ネットワーク内の共通サーバに接続しているため、使わざるを得ないのです。
ただ、頭のどこかには、A4縦表示モニターを設置したい欲求がどこかに残っており、つい最近24インチモニターをまた2台買ってしまいました。うち1台はDellのワイド曲面モニターとのデュアルモニターとして、もう1台は計算機2台(Gaussian 16)をつなげる目的です。
バカみたいに追加で2台買ったモニターは、Dell プロフェッショナルシリーズ P2419H 23.8インチワイドモニターです。ピボット機能が付いています。
もともとDellの49インチワイドモニターだけで、複数画面表示でき、Macのマグネットというアプリを使えば、ショートカットキーで自由自在にピチッとウインドウが並べることができます。ここにDellの23.8インチのモニターを縦置きにすると、さらに大きな表示環境が手に入りました。
それがこちら。
この写真に写っている49インチワイド曲面モニター(解像度5K)の左1/3に1つのWordファイルを表示し、右2/3には別のWordファイルを複数ページ表示しています。そして右側に鎮座する23.8インチの縦置きモニター(解像度1920 x 1080)には、さらに別のWordファイルを表示させています。
いやー、これは便利。すごく便利です。
今はたまたま異なるWordファイル3つを表示させていますが、パワポ、エクセル、PDFなど異なるファイルを参照するときに、一挙にを表示させる時に真価を発揮します。(写真では写っていませんが、左側にはGaussian計算機を2台つないだモニターもあります)
MacBook Proをつないでこうしてデスクトップ化しているので、仕事が終わればノートパソコンは持ち帰ります。自宅でも同じ環境で仕事ができるので、大変便利です。家庭には仕事を持ち帰らない主義ですと言ってみたい。
私がこうした環境を構築するときに、いろいろとサイトを参考にしました。あまり参考にならなかったので、そして今回こうしてブログに書くことにしました。
参考になれば幸いです。
2020.5.20 遠隔授業
本学でも5月中旬から5月末まで遠隔授業を実施しています。
遠隔授業のやり方は2つあって、(1)パワーポイントに音声を入れて公開する方法、(2)MicrosoftのStreamで講義動画を流す方法 です。どちらの場合も事前に収録が必要で、リアルタイムに映像を流すといったものではありません。
前期は臨床検査学科と放射線技術学科の基礎化学(選択科目)を受け持っていますので、私は(2)の方法で遠隔授業をやっています。無人の講義室で、講義を行っている様子を収録するのですが、PC画面(パワーポイント)と板書の2画面を収録しています(下の写真)。二画面同時に表示される設定なので、少し見づらいかもしれません(特にスマホで視聴した場合)。
本学ではオンラインでの教育環境が整っていますので、出席を兼ねた小テストをMicrosoftのFormsに紐付けし、講義動画の最後に小テストをする流れとなっています。またポータルサイトdotcampusも使えるので、こちらにも自習用の問題をアップしています。
いよいよ6月からは対面授業を開始するみたいなので、今回の遠隔授業の収録は2回で終わってしまいますが、今後の授業を進めるうえで良い経験になったと思います。
2020.4.2 薬学部薬学科開設
新年度になり、岐阜医療科学大学薬学部薬学科が開設されました。
それに伴い、これまでの保健科学部臨床検査学科・講師から薬学部薬学科・准教授へと配置換え&昇任となりました。所属と職位が変わっただけで、研究室の場所は変わりません。
これまで理学部(学部生)→理学研究科(修士)→薬学研究科(博士)→工学部(助教)→保健科学部臨床検査学科(講師)→薬学部と渡り歩いてきましたが、初めて薬学教育に携わることになります。
慣れないことも多いですが、教育と研究、共に頑張っていく所存ですので、よろしくお願いいたします。
岐阜医療科学大学薬学部薬学科
2020.3.2 新型コロナウイルス
新型コロナウイルスが猛威を振るっておりますが、その影響が少なからず私のところに来ています。2月の出張1件、3月の出張2件(招待講演)がなくなってしまいました。
いつまでこの影響はつづくのでしょうか?今年は海外出張にいくつか行こうと思っていましたが、それもやめですかね。。。
4月の薬学部開設までおよそ1ヶ月ですが、出張がなくなった分、学生受け入れの準備や、まだ荷ほどきが済んでいない研究室の整理をしたいと思います。
2020.2.13 総合研究大学院大学で集中講義をしました
昨日、分子科学研究所の椴山先生のお招きで、併設されている総合研究大学院大学で集中講義をしてきました。
講義内容は求核触媒に関するものです。午前中は、求核触媒に関する基礎的な内容とこれまで開発されてきた不斉求核触媒の紹介(90分)で、2年前に書いたMini Reviewがベースとなっています。DMAPをベースとした不斉化は難しいのか、これまでの取り組みなどをざっと説明しました。
午後は、求核触媒に関する我々の最近の研究成果を講演しました(90分)。前半、後半ともに講義後は学生さんから多くの質問を頂戴し、少しは求核触媒に興味を持っていただけたのかなと思います。
その後、椴山先生との研究ディスカッションをして、夜は懇親会で交流を深めました。本当に時間があっという間に過ぎた有意義な1日でした。
2020.1.15 有機合成化学協会協会誌1月号
昨年11月に受賞した私の有機合成化学協会 中国四国支部奨励賞に関する簡単な業績紹介が有機合成化学協会誌1月号の91ページに掲載されました。これまでお世話になった前ボスの菅先生を始めとする関係各位の方に、改めて御礼申し上げます。
2020.1.8 明けましておめでとうございます
本年もどうぞよろしくお願い致します。
今年4月の薬学部薬学科開設まで残り3ヶ月となりました。その準備も粛々と進めております。
さて、2020年になり一念発起して新しいツイッターアカウントを開設しました。うちの大学のことも含めていろいろな情報発信をできればと思っております。ぜひ@HirokiMandaiをフォローしていただけたらと思います。
よろしくお願い致します。
2019.12.7 近畿大学で講演しました.
12/3(火)に近畿大学にて講演をしました.学内の研究コアの主宰ということで招待されました.直接お世話をしてくださった理工学部理学科 松本浩一先生に感謝申し上げます.今回は「高活性な不斉求核触媒の創製と高度分子変換反応への展開」という題目で講演を行い,発表後は多くの質問を受け,活発な議論をすることができました.その後は松本先生の研究室の見学をしました.装置類は一通り揃っており,研究環境は素晴らしかったです.
夜は他の先生方と一緒に濃厚な懇親会を開催してもらいまして,近畿大学のいろいろな話を伺うことができました.本当に貴重な時間を過ごさせていただきました.ありがとうございます.
2019.11.20 有機合成化学協会中国四国支部奨励賞受賞
今年度の有機合成化学協会中国四国支部奨励賞をいただくことになり,11/9(土)岡山大学にて授賞式と受賞講演をしました.
受賞タイトルは「効率的かつ劇的な反応加速効果をもたらす有機分子触媒システムの開発」ということで,これまで岡山大学で行った有機分子触媒の分野についての功績を認められたものです.
この受賞を励みに,岐阜医療科学大学では新しい反応開発により一層取り組んでいきたいと思います.
受賞講演の全体概要はこちらになります.
2019.10.9 研究室立ち上げ(第三話:二連式真空マニホールド編)
私の研究ではグローブボックスなど厳密な条件は必要ないのですが,やはり二連式の真空マニホールドは一つは欲しいということで,既存のものを探しましたが,自分の環境に合ったものはなく新しく作ることにしました.
やはりメンテナンスのしやすさから,ガラスコックではなくグリスレスバルブに拘りました.前の所属研究室では毎年の夏と冬の大掃除のときに,ガラスコックについたグリースを綺麗に拭き取るやっかいな作業があり,なんとしてでもこれは避けたい.ということでグリスレスバルブの二連式真空マニホールドの設計図をとある業者に作ってもらいました.
上図はマニホールドを上から見た図,下図は横から見た図です.まず上図の上側の管ですが,ここにアルゴンを通します.両端にφ8ゴム止めをつけていますが,片方はボンベに直結,もう片方は双子バブラーもしくはアルゴンラインの延長用としてつけました.
上図の下側の管は真空となります.下図では左横にグリスレスバルブ付きのφ8があります.これは真空ラインの延長用で,将来的にはDIYマニホールド(一連式)をつなげることを想定しています.また左下にはφ16のゴム止めがあり,これは真空ポンプ側に接続します.ゴム止めφ16の理由は,真空ポンプの吸気口がφ16でしたのでそれに合わせました.当然,真空トラップ,途中でかませる球型ガラスフィルター(G4),KOH管のゴム止めもφ16で製作してもらいます.このφ16のゴム止めを真空ラインの右端につけることも想定しましたが,延長用のDIYマニホールドでは粉もの(化合物やシリカ吸着させたもの)を乾燥させるため,もし粉が舞ってしまっても,グリスレスバルブの領域までコンタミしないように,延長用のグリスレスバルブ付φ8ゴム止めとφ16を同じ場所(左端)にしました.ちなみに設計図のグリスレスバルブはヤングコックという黄色いコックです(コック1つ=1万円).
そういうわけで,この設計図を各社に送って見積をとりました.
ヤングコック付き二連式真空マニホールドの見積
A社 210,000円(税抜)(設計図を書いてもらったところ)
B社 250,000円以上(電話でこのくらいかかると言われた)
C社 192,800円(税抜)
林製作所 180,000円(税抜)
この時点で圧倒的に林製作所がやすいのですが,外国製のヤングコックを青色のAGコック(旭製作所)に替えるともっと安くなりますよという提案を受けました.
AGコック付き二連式真空マニホールドの見積
林製作所 140,000円(税抜)
もうこの14万円でお願いすることにしました.
そして届いた真空マニホールドがこちらになります.素晴らしい出来栄えです.ありがとうございました.
それではまた.
2019.10.2 研究室立ち上げ(第二話:天びん編)
前所属では島津製作所の天びんを使っていましたが,あまり好きじゃなかったので,天びん類を新光電子のものに変えました.この会社は知らなかったのですが,日本のメーカーで音叉(おんさ)でものを測るというシステムを採用しているようです.
なぜこの天びんにしたかというと,下記のYoutubeを見て購入を即決しました.
精密分析天びんはHT224Rというモデルです(ひょう量:〜220g/最小表示:0.1mg).定価では16.5万円ですが,伊勢久さんに安くしてもらいました.
せっかくなんで,この天びんにつなげるプリンターも買いました.CSP-160IIというモデルです.まあプリンターはいらないという話もありますが...
そして,もっと重たいものを測ることができるALE2202Rという天びんも購入しました(ひょう量:220g〜2200g/最小表示:0.01g ).
やっと天びんの設置が終わったので,これから実験室のセットアップを本格化していきます.
ではまた.
2019.9.25 実験室立ち上げ(第一話)
8月末に引越してきた居室の隣りに実験室があります.現在この実験室の立ち上げ作業を粛々と進めています.
この部屋には実験台3台(試薬棚付150cm幅実験台1台,平机2台),島津製VAVドラフト2台(120cm幅),サイド実験台4台,天びん台などが既に設置されており,これを一から揃えるとなると相当な費用がかかるところでした.
実験台3台のうち,試薬棚付きが1台でここにアングルを組んでもらう予定です.残りの平机についても,試薬棚をつけるかアングルだけにするか考え中です(試薬棚+アングルの組み合わせだと狭くなってしまうので悩みどころ).
この状態から実験に必要な設備・消耗品類を揃えていくことになります.消費税が上がる9月末までに色々と購入したので,後々紹介したいと思います.
それではまた
2019.9.13 薬学部が認可されました
正式に薬学部薬学科が認可されました.私は来年4月から薬学部薬学科に移籍予定となっております.
本学からのお知らせ
http://www.u-gifu-ms.ac.jp/news/20190912_4130/
薬学部の特設ホームページ
2019.8.24 引っ越し作業
岐阜医療科学大学に異動して5ヶ月過ごした居室(仮住まい)とも今日でお別れです。この建物は名城大学から譲り受けた建物で築20年ほどしか経っておらず,比較的綺麗です.
明日、となりの薬学部棟に引越し(業者にやってもらう)のため、来週から新しいオフィスです。そして実験できるように研究室の立ち上げます。
それに向けて色々発注中.また紹介します.
そして来週に認可が下りるはず。
2019.7.29 異動しました
ご挨拶が遅れましたが,この4月に岐阜医療科学大学保健科学部臨床検査学科に異動しました.諸事情で色々とまだお話できることは少ないのですが,これから研究室の立ち上げなどについてこのブログにアップできればと思っています.宜しくお願いいたします.
2019.2.13 [:ja]Chem. Eur. Jに論文掲載[:]
[:ja]昨年度末で卒業生した藤居博士が行った「光学活性DMAP誘導体を用いるベンゾフラノン類のアシル基転位反応」の論文がChem. Eur. J.に掲載されました.この論文は2016年にNature Communication(オープンアクセス)に出したオキシインドール類のアシル基転位反応の続報となります.
本論文の新しい知見は
1.触媒量を0.05 mol %に下げても5時間で反応が完結する素晴らしい触媒活性を有していること.そして非常に高いTOF(3,640 h-1) を叩き出すこと(Table 1, entry 6).
2.わずか19.2 mgの触媒で10 gスケールの反応を円滑に進行させること(>98% yield, >99:1 er).
3.広い基質一般性を有していること.15基質のうち14基質で定量的かつ>95:5 erで目的物が得られる(Figure 2).
4.コントロール実験により,触媒にある第三級アルコール部位が1つでもあれば触媒活性とエナンチオ選択性は担保されること(Scheme 1)
5.エネルギーの低い遷移状態TS-Iでは,触媒のヒドロキシ基とオルトCHの2つが水素結合を通して求核剤を活性化していること(岩手大学・是永先生との共同研究)
6.位置選択的なアシル基の転位反応(フラノン)について,通常のDMAPではなし得ないγ選択的な転位反応が高エナンチオ選択的に進行すること(81% yield, 95:5 er). などです.
本研究で一番苦労したところは,いわずもがな基質合成です.こういった基質(特にフラノン)はほとんど報告例がなく,藤居くんがいろいろと試行錯誤してくれました.その苦労の足跡はSupporting Infomationにおさめてありますのでぜひご覧ください.[:]
2018.11.6 [:ja]「次世代研究育成グループ」に選定[:]
[:ja]萬代が研究代表者を務めるグループが岡山大学の次世代研究育成グループに選定されました.
若手研究者が飛躍できる世界で“キラリと光る”研究大学へ 次世代を拓く「重点研究分野」と「次世代研究(育成・拠点)グループ」を決定
プレスリリースはこちら.
研究課題名は「口腔バイオフィルム感染制御を目指した革新的新規低分子化合物の創製」で,産学11名からなる研究チームを組織しました.今後は岡山大学URAの全面バックアップを受けて課題に取り組むことになります.
以下HPより引用
—
◎次世代研究育成グループと次世代研究拠点
今回、17の次世代研究育成グループと5つの次世代研究拠点を選定しました(別紙2)。
選定された各グループでは40代などの若手研究者らが代表研究者になっています。若手の段階から次世代を拓く研究ビジョンやマネジメントスキルを磨き、本学ならびに世界を牽引していくグループを形成していきます。
なお、選定されたグループには活動資金が配分され、グループ形成や研究拠点形成などの強化促進に使用されます。また、研究支援部門(研究推進産学官連携機構、URA室等)から各グループに担当者が付き、重点的な支援を実施します。特に若手研究者に対してはメンター的な面も含めつつ、協働でグループ形成を進めていきます。
—
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2018.10.26 [:ja]大阪大学南方研で講演しました[:]
[:ja]10/20(土)に大阪大学の南方研究室の第10回若手研究者セミナーで講演をしてきました.南方研究室では,年2回,若手の研究者を招いて講演会を開催しているようです.
過去9回の講演者はみな若くて第一線で活躍されている先生方のなか,私のようなもはや若手とはいえない研究者を呼んでいただけて大変光栄です.
第1回 京都大学 浅野圭佑 先生
第2回 名古屋大学 村上彗 先生
第3回 東京大学 生長幸之助 先生
第4回 東北大学 近藤梓 先生
第5回 理化学研究所 丹羽節 先生
第6回 北海道大学(当時所属)大宮寛久 先生
第7回 早稲田大学 カニヴァ スティブィン キャロ先生
第8回 名古屋大学 瀬川泰知 先生
第9回 京都大学 藤田大士 先生
第10回 今回
南方研究室の武田先生からは,「最新の研究はもちろんのこと、普段学生が参加する大規模な講演会やセミナーではなかなか聞くことのできない、先生方の研究哲学、苦労談話、若手研究者としてのキャリアパスについて勉強させていただくと共に、直に議論をすることで交流を深める」というという趣旨のもとで講演をお願いされました.私の講演では,これまでの私のキャリアパス,この研究に至った流れ(着想),苦労話(再現性の問題)など,普段の発表ではあまり触れることのない生々しい現場の声を届けたつもりです.講演は90分近くに及び,長丁場ではありましたが,考え方など伝えたいことは伝えたつもりです.南方研の学生さんに何かしら伝わったでしょうか?
講演会のあとは,学内のレストランに場所を移し,南方研スタッフ,学内の若手研究者,南方研の学生さんと交流を深めました.南方研の学生さんは積極的に私に話しかけてくれて,私も大きな刺激を受けることができました.うちの研究室の学生では積極的に講師の先生に話しかけるのは無理でしょうね.
その後,教員の方々と場所を移して懇親会を開催していただきました.学生に聞かせられないアカデミック界の生々しいいろんな話を伺うことができ,大変盛り上がりました(写真がない),
こういう機会もいいですね.ありがとうございました.
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2018.10.17 [:ja]OLとCL2報[:]
[:ja]前回の更新からだいぶ日が経ってしまいました.いけませんね.書くネタが全くないわけではないが,書くのが面倒といった感じです.
ところで最近OLとCLに論文が掲載されました.
まず1つ目は,アズラクトンの動的速度論的光学分割に関する報告です.
Dynamic Kinetic Resolution of Azlactones by a Chiral N,N-Dimethyl-4-aminopyridine Derivative Containing a 1,1′-Binaphthyl Unit: Importance of Amide Groups
Mandai, H.; Hongo, K.; Fujiwara, T.; Fujii, K.; Mitsudo, K.; Suga, S. Org. Lett. 2018, 20, 4811.
ビナフチル骨格をもつ求核触媒がアズラクトンの動的速度論的光学分割を効果的に促進して,非天然アミノ酸誘導体を効率的に合成できるというものです.触媒のビナフチル骨格の3,3位にアミドをもつものが最も触媒活性が高く,エナンチオ選択性も高いといった具合です.今まではtert-alcoholsをもつ触媒を使った反応ばかりでしたが,アミドをもつ触媒の反応の初めての報告になります.Synfactにもハイライトされました.
2つ目は,1,3-ジオールの非対称化反応に関する報告です.
Enantioselective Desymmetrization of 1,3-Diols by a Chiral DMAP Derivative
Mandai, H.; Ashihara, K.; Mitsudo, K.; Suga, S. Chem. Lett. 2018, 47, 1360.2つの第一級ヒドロキシ基をもつ1,3-ジオールをエナンチオ選択的にモノアシル化できるという反応です.モノアシル化体はまだ反応性の高いヒドロキシ基を持っているのですが,本触媒をつかうと基質一般性は広くないですが化学選択的にアシル化できます(基質によっては,モノアシル化体の溶解度が高いため,ジアシル化まで進んでしまう).1,3-ジオールのモノアシル化体自体がほとんど新規化合物で,当初どのような性質をもつ化合物かよく分かりませんでしたが,ラセミ化しやすい化合物ということがわかりました(SIに載せています).[:]
2018.7.11 [:ja]岡山工学振興会 研究助成金贈呈式[:]
[:ja](公財)岡山工学振興会から研究助成金をいただけることになり,贈呈式&懇親会に出席してきました(写真はありません).
採択課題名はちょっと大げさですが「有機分子の特定の官能基を狙い撃ちにする高度分子変換反応の開発」というものです.我々が開発した不斉求核触媒をつかって,官能基がたくさんある有機化合物の特定の位置を変換するというものです.
前回の2009年に引き続き,2回目の助成です.成果につながるように研究費は大事に使わせていただきます.
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2018.4.10 [:ja]『有機分子触媒の開発と工業利用』出版[:]
[:ja]『有機分子触媒の開発と工業利用』がシーエムシー出版から出版されました.有機分子触媒分野の第一線で活躍されている先生方が多数執筆しています.
我々も分担で「大量スケール合成に適用可能なエナンチオ選択的なアシル化反応の開発」というタイトルで執筆しています.これは我々の研究成果を纏めたものになります.
https://www.cmcbooks.co.jp/products/detail.php?product_id=5419
価格は 88,560 円(税込)と少々お高いですが,著者紹介制度でお安く(20%引き,65,600円)購入できます .ご入り用の方はお知らせください.
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2018.4.10 [:ja]TL Digestがオンライン掲載されました.[:]
[:ja]キラルなN,N-ジメチル-4-アミノピリジンを用いたエナンチオ選択的・位置選択的なアシル化反応に関するミニレビューがTetrahedron Lettersのオンライン版に掲載されました.過去10年間(2007-2017年)の反応例について網羅的に掲載しています.
Recent topics in enantioselective acyl transfer reactions with dialkylaminopyridine-based nucleophilic catalysts
Hiroki Mandai,* Kazuki Fujii, Seiji Suga*
Tehrahedron Letters, 2018, inpress.
https://doi.org/10.1016/j.tetlet.2018.03.016
触媒に関して,不斉源が導入された位置(ピリジン環のC-2, C-3, C-4とその他)ごとのカテゴリーに分けて,どんな反応が行われたか俯瞰できるようにして,またできる限り触媒設計指針と反応の選択性発現のメカニズムを解説しています.
キラルなN,N-ジメチル-4-アミノピリジンに関するレビューは2007年のWurzの総説が有名ですが,それが出版された後の現在までの論文をカバーしております.
ご一読いただければ幸いです.[:]
2018.3.6 [:ja]日本化学会 第98春季年会(日本大学理工学部 船橋キャンパス)[:]
[:ja]今年の年会発表では,H5会場にて3月21日午後のセッション(13:40~14:40)にて下記の3つの発表を行います.
2H5-32
光学活性DMAP誘導体を用いるアシル化反応(1): 3-ヒドロキシ-3-置換-オキシインドール類の速度論的光学分割(岡山大院自然)○萬代 大樹・塩本 龍平・菅 誠治
2H5-33
光学活性DMAP誘導体を用いるアシル化反応(2): 1,3-ジオールの非対称化反応(岡山大院自然)○芦原 宏介・萬代 大樹・菅 誠治
2H5-34
光学活性DMAP誘導体を用いるアシル化反応(3): 糖類の位置選択的アシル化反応(岡山大院自然)○山本 知哉・阿部 健幸・萬代 大樹・菅 誠治[:]
2018.1.4 [:ja]明けましておめでとうございます[:]
[:ja]新年明けましておめでとうございます.
私,本日4日から仕事始めとなります.まずは放置していた査読から取り掛かります.研究室自体の始動は明日5日からとなります.
今年の目標は色々とあるのですが,その一つにこのホームページの更新をもっと頻繁にしようと思っております.
それでは本年もよろしくお願いいたします.
文面とは関係ないですが,下記の写真は年末に撮った富士山です.
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2017.11.21 [:ja]ISONIS-11&ISMMS-3の運営[:]
[:ja]先週の15-17日に淡路島で開催されたISONIS-11&ISMMS-3の運営をやってきました.場所は兵庫県立淡路夢舞台国際会議場.実働部隊の学生8人を引き連れて,大学のボロ公用車で岡山から淡路島まで移動しました.
1日目は前夜祭にあたるGet together(簡単なパーティー)から始まり,次の日から講演会&ポスター発表(昼と夜の部)でした.また夜にはバンケットと二次会もありました.1日目の講演会ではプロジェクターが不調で,講演者の方のPCとプロジェクターの相性が悪いと映像がプツプツ切れるトラブル頻発.これには参りました.映像機器専門スタッフが付いているにも関わらず,原因不明で為す術がありませんでしたから.2日目はプロジェクターを換えてもらい,機能までの不調が嘘のよう.映像トラブルもなく無事に2日目は終了しました.
さて運営としてやったことを備忘録として残しておきます.
- 参加者の部屋割り作成
- バス亭から会場までの道案内の作成(ポスターを貼る)
- 実際の学会の運用(受付,PC係,照明係,マイク係,カメラ係)
- コーヒーブレイクの準備(ソフトドリンク&甘いお菓子の準備)
- 二次会の酒・おつまみの準備(楽天市場にはお世話になりました)
- ポスター会場の設営(ポスター番号貼付け)&ポスター審査員への審査依頼
- ポスター賞の準備・賞状の印刷
- 会場アナウンスのタイミング&内容を考える
- 会場アナウンスのスライド作成 などなど
学生スタッフの数が限られているので,全てが同時進行でやらなければいけません.場を仕切る人は全体を俯瞰できる技量が必要ですね.
これまで参加者の立場から何回も国際学会に参加してきましたが,裏方を経験すると色々やること多くて勉強になりました.今後は参加した学会で運営スタッフさんがヘマをしても優しい眼差しで見てあげられると思います.今回は120人規模の学会の運営を経験できたので,次はもうちょっと大きい学会でも対応できるかなと思いましたね.
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2017.11.1 [:ja]第47回複素環化学討論会に参加[:]
[:ja]10月26-28日に高知県立県民文化ホール(高知市)で開催された第47回複素環化学討論会に私とM2の学生さんで参加してきました.なんと今回学生さんがポスター賞(Chemistry Letters賞受賞)を受賞することができました.20倍の競争率とのことです.嬉しいですね.私はJOCに掲載された仕事について発表してきました.
ちなみに発表内容は以下の通り.
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2017.9.30 [:ja]求核触媒,第二弾販売[:]
[:ja]我々が開発した不斉求核触媒の第二弾が(株)東京化成工業より販売となりました.前に発売した触媒よりもお安くなっています.
それに合わせて,日本語版と英語版のWEBページもアップデートされ,この触媒の利用例が追加されています.
Webサイト中段の「利用例」タブを押すと表示されます。 日本語版 [P2617](R=H) http://www.tcichemicals.com/eshop/ja/jp/commodity/P2617/ [P2380](R=C(CH3)3) http://www.tcichemicals.com/eshop/ja/jp/commodity/P2380/
そして英語版
[P2617](R=H) http://www.tcichemicals.com/eshop/en/jp/commodity/P2617/ [P2380](R=C(CH3)3) http://www.tcichemicals.com/eshop/en/jp/commodity/P2380/
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2017.8.31 [:ja]化学工業9月号に記事掲載[:]
[:ja]我々が開発した不斉求核触媒についての記事について,有機合成化学協会誌6月号,化学と工業8月号に続く第3弾が化学工業9月号(化学工業社)に掲載されました.化学工業9月号に「注目される有機分子触媒の新展開」という特集号が組まれ,「極めて高活性なアシル化触媒の開発」と題した記事を執筆しました.
記事の章立ては以下のようになっております.
- はじめに
- 触媒設計と合成
- 分子内不斉アシル基転位反応
- 分子間不斉アシル化反応(第二級アルコールの速度論的光学分割反応,d,l-1,2-ジオール類の速度論的光学分割反応,meso-1,2-ジオール類の非対称化反応)
- おわりに
本記事の別刷りPDFは残念ながらありませんが,もし記事を読んでみたいという方がいましたらご一報ください.
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2017.8.18 [:ja]化学と工業8月号「飛翔する若手研究者」[:]
[:ja]化学と工業8月号の「飛翔する若手研究者」に私が執筆した研究に関する記事が掲載されました.今年の年会で若い世代の特別講演証をいただいたご褒美で執筆のチャンスをいただいたものです.
タイトルは「劇的な反応加速をもたらす高選択的アシル化触媒」.
紙面の関係上,触媒設計の概要と分子内・分子間不斉アシル化反応への展開について,さらっと書いています.更に詳しい内容については有機合成化学協会誌の6月号に総合論文を出しているのでこちらを御覧ください.
記事の最後のほうに述べましたが,現在進行中の研究もあり,我々が開発した光学活性DMAP誘導体が促進する全ての反応を紹介できませんでしたが,かなり優秀な触媒です.既に5報以上書かないといけない論文が溜まっているので,今年の後半は全て論文執筆に全力を尽くします.
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2017.8.18 [:ja]有機合成化学協会誌8月号「新しい合成」[:]
[:ja]本郷くん,下脇くんの論文が有機合成化学協会誌8月号の「新しい合成」で取り上げられました.
2014年に論文を出した分子内Morita-Baylis-Hillmanの研究過程で,バイプロとして微量得られたものを最適化しなおして,主生成物として得られるようになりました.まだまだ収率は満足できるものではありませんが,一応DMAPOが促進する初めての炭素-炭素結合生成反応として論文に掲載されたものです.
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2017.6.23 [:ja]フロントカバーがWebに掲載されました.[:]
[:ja]先日Webに掲載されたd,l-1,2-ジオールの速度論的光学分割の論文がVIP (Very Important Publication)に選ばれた褒美として,フロントカバーを描かせてもらいました(デザインはD3藤居くん).触媒の加速効果を示すためにタコメーターの素材をバックにしたデザインです.
実際のページはこちら
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2017.6.19 [:ja]論文に関するコメント[:]
[:ja]昨年,Nature Communに出した不斉アシル化反応の論文の続きとして,ジオール類のエナンチオ選択的アシル化反応に関するフルペーパー2報がWebに掲載されました.
1報目はAdvanced Synthesis & Catalysisに掲載されたd,l-1,2-diolの速度論的光学分割反応です.これは鎖状・環状の様々なd,l-1,2-diolを光学活性DMAP誘導体で分割するというもので,わずか0.5 mol%の触媒でジオールの化学選択的なアシル化が進行します.基質一般性も広く高いselectivity factorが出ます.10 gスケールの反応にも適用可能な系に仕上がりました.また詳細な検証実験の結果,触媒のヒドロキシル基と反応基質のジオール部位が水素結合を介して不斉認識をしていることを明らかにしました.VIP (Very Important Publication)に選ばれ,初のカバーピクチャーに採用されました(まだWebには出ていません)
2報目はThe Journal of Organic Chemistryに掲載されたmeso-1,2-diolの非対称化反応です.これは1報目の速度論的光学分割と似た反応で,わずか0.1 mol%の触媒でジオールのアシル化による非対称化反応が進行します.良いエナンチオ選択性は発現するのですが,なぜか環状だと6員環の基質しかうまくいきません(色々やったのですが...).ただ鎖状基質と6員環のジオール類に対しては,ほぼピンポイントでアシル化でき,高いエナンチオ選択性が発現します.さらに詳細な検証実験の結果,反応加速とエナンチオ選択性の発現には触媒のヒドロキシル基は1つだけで十分ということが分かりました.触媒合成の簡便さの面から今後も2つのヒドロキシル基をもつC2対称の触媒を使いますが,原理的には触媒のヒドロキシル基は1つで十分ということです.
今はSteglich反応を高エナンチオ選択的に進行するものが東京化成工業より販売されておりますが,上記の2つの反応を促進する触媒についても近日中に販売される予定です
あとこれまで我々が行ってきた不斉求核触媒に関する日本語総合論文が有機合成化学協会誌の6月号に掲載されました.岡山大学に着任して,どのような考えのもと研究を進めてきたか丁寧に書きました.ご協力くださった関係各位の方々にお礼申し上げます.[:]
2017.3.28 [:ja]【スポットライトリサーチ】高活性な不斉求核有機触媒の創製【ケムステ】[:]
[:ja]昨年ですが,ケムステのスポットライトリサーチにうちの学生を取り上げてもらいました.[:]
2017.3.28 [:ja]触媒のポスター[:]
[:ja]2017年の日本化学会 第97春季年会 の東京化成のブースにて,我々の開発した触媒のポスターが張り出されていたので記念撮影.
ちなみにこの反応に使える触媒も近々,市販予定です.
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2017.3.22 [:ja]第31回若い世代の特別講演会証受賞[:]
[:ja]日本化学会 第97春季年会 (2017)
2017年3月16日(木)~19日(日)
慶應義塾大学 日吉キャンパス
第31回若い世代の特別講演会にて講演を行い,講演証を受賞しました.関係各位の皆様,ありがとうございます.
1E5-28(E5会場)
講演タイトル
効率的かつ劇的な反応加速効果をもたらす有機分子触媒システムの開発
(岡山大院自然)○萬代大樹
↓後日,西原先生から頂いた写真
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2017.3.1 [:ja]受賞2件[:]
[:ja]平成28年度の岡山大学工学部のベストティーチャー賞と研究功績賞の2つの賞を受賞しました.関係各位の皆様,ありがとうございます.[:]
2017.1.31 [:ja]科学新聞掲載(平成28年5月13日付)[:]
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2017.1.31 [:ja]山陽新聞掲載(平成28年5月7日付朝刊)[:]
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