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2024.6.26 計算化学

本学でもGaussianやGaussViewのサイトライセンスを導入しており、気軽に利用できる環境を整えています。しかし、私自身簡単な計算しかできないし、本格的に計算化学を習ったことがないのでうまく活用できていません。やはり論文に載せる計算はある程度実績にある共同研究者にお任せという状況でした。

ということで、この状況を打破しようと9月にほぼ1ヶ月、北海道大学の化学反応創成研究拠点(ICReDD)に計算化学(MANABIYA アカデミックプログラム)を学びに行くことになりました。1ヶ月大学を空けるのは大変心苦しいのですが、夏休み期間中であることや指導している5年生が実務実習で学外にいくのでちょうどいいタイミングでした。また滞在費、交通費など全てICReDDが負担してくれるという好条件。

MANABIYA とは

うちの大学は学外出張は20日まで、という取り決めがあるので有休と組み合わせての参加となりそうですが、このチャンスを逃すともう次はないなと思いましたので、よしとしましょう。

このプログラムを教えてくれたのは、ICReDDにいる某M先生でした。この場を借りて感謝申し上げます。

2024.6.19 遠隔操作で分析機器を操る方法

研究室にいろいろな分析機器を保有していると思いますが、スペースの関係で別の部屋に設置してあったり、別の階の部屋に設置してあることが多々あると思います。そのような環境の方に役立つものを今回はご紹介したいと思います(以前のブログもご参照ください)

うちの研究室のように、薬学部生であまり実験に慣れていない学生がいる場合、学生に実験をやってもらいつつ、同時並行でラセミ体の分離条件を探してもらうというマルチタスクをさせると、教員が思っている以上に時間がかかり、「え、まだ終わっていないの?、今まで何してたの?(禁句)」という状況に陥ります。特に分析機器が離れた場所にある場合は、その傾向にあります。

そういうときは、自分(教員)が分析をやった方が早いです。本当は学生にラセミ体の分離条件を探させることは教育的にはいいのでしょうけど、6年制薬学部生のほとんどは薬剤師になるので、分離条件の検討をさせる教育的配慮はそんなに必要ないのかなと最近思い始めました。それよりもどんどん実験してもらって結果を出してもらう方が良いのではないか、と悟っています。

さて本題に戻ります。機器を自分の部屋や自宅から操作できるのであれば、これほど楽なことはありません。そこでご紹介したいのがSplashtopというリモートアクセスソフトウェア。WindowsやMacでもリモート接続できる機能はありますが、Splashtopを使用した方が手っ取り早いです。

Splashtopを機器分析に利用するためには、次の条件が必要です。

  1. 遠隔操作したい機器の制御がパソコンでできること(Win, Mac問わず)
  2. 上記パソコンがネットワークに繋がっていること
  3. もし2でネットワークに繋がっていなければ、USB型のWi-Fi受信機(1000円程度)を差せること

上記1−3が満たされていれば、遠隔操作は可能です。ただし、基本的に分析機器のパソコンはネットワークに繋がない想定になっていると思いますので、もし遠隔操作目的でネットワークに繋ぐのであれば、自己責任で。

操作したいパソコンにSplashtopストリーマーを入れ、自分のパソコンにSplashtopのクライアントアプリをインストールすれば、遠隔操作できるようになります。接続先と接続元が同じネットワークであれば、無料利用できますし、異なるネットワークであれば、年間2000円ほどお金を払えば遠隔操作できます。

次の画像は自分のノートパソコン(Mac)から、離れた場所にあるGC(Windows)の画面です。オートサンプラーがあれば、遠隔操作で次々と分析や解析ができます。

ファイルの受け渡しは、Onedriveを仕込んでおけば簡単にできます。

こういう遠隔操作は、自分が保有している機器だけでやってくださいね。くれぐれも大学の共通機器にはやらないようにしてください。

2024.6.14 バズりました

私の個人Xでつぶやいた内容がバズりました。壊した器具はほんの一部で、他にもあるのですが。。。。(以下、略)

2024.6.13 NMR測定エラー

多くの大学でJEOLのNMRを利用していると思いますので、情報共有のために今日あった出来事を記載します。学生から1H NMRが測定できないとの連絡を受け、エラーメッセージを確認。いろいろと調べてみると特定のサンプルで次のような症状がでることがわかりました。

グラディエントシム中止され、そのまま測定が始まるものの、エラーで測定データが保存されない

すぐにJEOLに連絡して復旧作業をお願いしました。

調査していただいた結果、原因が判明しました。

測定サンプル名が「ある一定の長さ、かつ全角文字が入っている」場合に、グラディエントシムがかからず、測定ができない。原因は、ソフトウエアのバグ。

測定サンプルに日本語(全角)が入っていて、このような問題は起こらなかったのですが、ある特定の条件に当てはまると測定できないみたいです。ソフト(Delta)のアップデートをしないと解決できないバグですので、皆さんも気をつけてください。

測定サンプル名を「全て半角英数字」にすることでこのエラーは回避できます。

2024.6.5 折り返し

6月に入りました。久々のブログ更新です。

5月のゴールデンウィーク開けから始まった3年生の化学系実習(月・火午後)も折り返しになり、全8週間のうち、4週間が終わりました。化学系実習も3年目ということもあり、だいぶブラッシュアップされて効率的にできるようになりました。

実習の様子
反応液の様子

実験は安息香酸メチルにフェニルグリニャール反応剤を反応させ、トリチルアルコールを合成します。2日間で完結するようになっており、だいたい70%以上の収率で目的物が得られます。

実験の手順書も公開しますので、参考になれば幸いです(編集可能なWordファイルが欲しければご一報ください)

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