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2022.1.12 『集まれ、みんなのラボのDIY!』1位受賞しました。

今回3万円のアマゾンギフト券を獲得したNMR洗浄機

明けましておめでとうございます。妻に隠れてブログをやっていたのですが、某K大学のM先生の年賀状で「ブログ拝見しています」のコメントで見事に妻にバレました(笑)。でも私は元気です。

さて、昨年末にケムステで開催された『集まれ、みんなのラボのDIY!』に、私も恥ずかしながら投稿したところ、見事1位に選ばれました。ありがとうございます。いいねとリツイートの数が半端なかったです。Twitterに投稿したのは、短い動画でしたが、完全バージョンのブログ記事はこちらです。

結果発表のケムステ記事はこちらです。

まあ色々お金をかけない工夫をやっていますので、またいいものができたら紹介したいと思います。

2021.7.14 エアコン風よけ

もうそろそろ梅雨明けの時期ですが、7月に入ると気温と湿度が高くエアコンをフル稼働させて実験室の温度を一定に保っています。ほとんどの大学では、天井に埋め込み式の業務用エアコンを使っていると思います。業務用はパワフルなので、エアコンの風が直接身体に当たって寒いとか、天秤に風が当たって不安定になるとか悩ましい問題が出てきます。

私の居室にもエアコンがありますが、ちょうど風がデスクに当たる位置にあり、どうしても寒い。かといって温度を上げるとちょっと蒸し暑い。エアコンの風をうまく分散させるプロペラみたいなものは高かったので(2-3万)、その他のものを探していたら、いいものを見つけました。

エアコン風よけカバー

エアコンの吹き出し口に設置するカバーみたいなもので、2枚で3400円です。両面テープで固定していて中華製のちょっと怪しい商品ですが、これを風の吹き出し口に設置すると見事に直接風が当たりません(金属製のクランプも付属していますが、残念ながら当方のエアコンには付けられませんでした。落下防止のため、たこ糸で結んでいます)。

エアコンの風に悩まされている場合は、ぜひお試しください。

2021.2.22 NMRチューブ洗浄機

Twitter上の情報を参考にNMRチューブ洗浄機を作ってみました。

2つ口フラスコの片方にPTFEチューブを通したセプタム、もう片方は減圧しています。ポイントは、PTFEの先端がNMRチューブの先端に来るように切ることと、PTFEが通るだけの小さい穴をセプタムに開けるだけです。簡単にできますので、ぜひ挑戦してみてください。

下の動画は実際の洗浄の様子です。アセトンと水を交互に通しています。

2021.2.5 指導マニュアル

先日、私立大学に勤める友人Kの研究室を訪問してきました。長時間にわたり、研究室や大学内を案内してくれて、色々な情報交換をして大いに刺激を受けてきました。そこの研究室では、4年生10人が研究室に配属され、つい最近、実験を始めたそうで初々しい学生さんが実験をしていました。

岐阜医療科学大学薬学部では、1期生が昨年4月に入学してきたばかりでまだ卒業研究まで2年ありますので、学生が入ってきたら入ってきたで大変だろうなと想像しています。

さて、先日のブログでは私がこれまで実践してきた化合物のデータ管理の話をしましたが、今日は指導マニュアルというか、指導するグループで実際に使っていたルールブックについてお話したいと思います。

研究室での活動は、もちろん実験が中心になってきますが、それに伴い文章を作成したり、報告書を書いたり、データを解析したり、学会で発表したりといろいろパソコンを使った作業を伴います。最初の学生さんにはしっかりそういったものの書き方などの指導するものの、その後は学生からの学生への指導となり、やがて伝言ゲームのようになっていきます。だんだんルールが曖昧になってきたり、時にこちらの意図しない方向にいったりします。例えば、パワーポイントの構造式の拡大率が異なるとか、構造式を書くフォーマットなどが崩れてきたり、などです。

私が前組織にいたときに、そういうことに悩まされてきましたので、私の指導していたサブグループ(通称、触媒組)では、触媒組の共通ルールをマニュアル化しました。とにかく、この共通ルールに従い、もし不都合があればその都度修正していきました。

今回、このマニュアルを公開しますので、ご自由に加筆修正し、必要に応じて研究室内でお使いください。WEBでの公開は避けてください。これらのルールは、私の指導していたサブグループのものですので、あくまで自己責任での利用でお願いします。当方は本マニュアルの使用にかかわる一切の責任を負いません。

ということで下にリンクを貼っておきます。

2021.1.28 化合物データの管理方法

1月下旬となり、卒論や修論の追い込み時期だと思います。これまでの経験上、序論や本論は比較的書きやすいですが、実験項のセクションになると律速になると思います。最悪なのは、化合物データを取っていない、そのため化合物を再合成しなきゃいけないこともよくあります。

また同じ教員が指導していても、学生によっては化合物データの書き方やフォーマットが異なることも。特に論文にするときに困るのは、学生が書いたものデータの形式が合わず不格好で全て書き直さなきゃいけないことです。

私が前所属にいたとき、このようなケースは多々ありました。また学生さんよっては、実験番号で全てのデータが紐付けされておらず、NMRのファイル名が desired product とかbyproductという追跡不能な最悪な名前で保存されており、学生が卒業した後にデータの場所が追跡できないこともありました。

そこで少なくとも私が指導している学生の化合物データの管理方法を統一するために、下記のルールを作りました。

1. 一化合物につき、クリアファイルを1つ用意する。
2. 化合物データカードを作成し、1枚目と2枚目を両面印刷する。
  ファイルはこちら→docxファイルpdfファイル
3. データカード、NMR, IR, ハイマス、旋光度などの印刷データ(紙)をクリアファイルに入れる。
4. クリアファイル(20ファイル程度)をまとめて紙のケースファイルに入れて管理。
5. 編集可能な化合物データカードのファイルとNMRなどの測定生データは、DVDに焼いて、4のケースファイルに同封。

2の化合物データカードには、データの記入例をあらかじめ記載しています。またチェックリスト、教員のチェック欄が記載されていて、この化合物データカードの指示に従って、学生が入力してくれれば、統一したフォーマットになるように工夫しています。1枚目の教員のチェック欄は、ちゃんと帰属が合っていればハンコを押すようにしています(教員のチェックを通ったデータなのか、学生の帰属したままのデータなのか一目瞭然)。

このルールを徹底してからは、データの管理は楽になりました。また論文のSupporting Informationを作成するときは、この化合物データカードのWordファイルをコピペするだけで簡単にSI作成できます。また論文が出版されたら、4の紙のケースファイルの背表紙に、論文名とジャーナル名、ページ番号をテプラで印刷して貼り付けています。

今回、化合物データカードのdocxファイルpdfファイルを公開しますので、ご自由にお使いください(改変可)。

ご参考までに。


2020.12.10 フェーズセパレーター

反応開発をしていると、まとめて反応を仕掛ける事がよくあります。後処理する数が多いと、試験管の中で有機層と水層を分けるために、パスツールピペットで分液します。

GLサイエンスからフェーズセパレーターという、有機層と水層を分けるものがあったので購入して使ってみました。Biotageからも同じようなフェーズセパレーターが販売されていますが、一部が販売中止になったとか。。。

https://www.gls.co.jp/product/spe_columns/inertsep_series/01104.html

軽い溶媒(例えば酢エチとかエーテル)を使が使えるInertSep® PS-SL は水槽がシリンジの先から落ちてきます。重い溶媒(塩化メチレン)を使えるInertSep® PS-SHは、有機層がシリンジの先から落ちてきます。これを使えば、いちいち分液をする必要がなく、後処理前の溶液をシリンジの中に入れるだけで、層分離ができます。

写真に写っているのは、InertSep® PS-SLで6 mLの容量があり、シリンジの中には有機層、下のバイアルには水槽が入っています。100本で4万円弱しますが、何回か再利用すれば、元は取れるのかなと思います。しかし、使用済みのInertSep® PS-SLを洗浄して乾燥させてみると、膜が分離しかかっているものがありましたので、再利用可能かはなんとも言えません(反応液を投入するときに、塩が析出しておりそれが原因かも)。シリンジを刺している台もGLサイエンスのもので、そこそこの値段はします。

ただ残念なのは、ホームページを見たところ、販売中止となっています。今業者を通して確認中ですが、もし代替品なしの販売中止であれば、折角フェーズセパレーターができる環境を整えたのに残念です。

2020.11.25 一斗缶カッター

有機系の研究室では、一斗缶を実験室内のゴミ箱にしているところが多いと思います。溶媒使用量の多い研究室では、ほぼ毎日、空の一斗缶が手に入ります(前所属ではそうでした)。普通の缶切りで一斗缶の上部のフタを開ける、、、なんて気の遠くなるような作業を学生さんはよくしていました。面倒なので、実験室の一斗缶ゴミ箱は古いまま(錆だらけ)なんてこともよくあります。

実は、一斗缶カッターなるものがあるんです。これは1年前に買ったものですが、非常に便利。

https://axel.as-1.co.jp/asone/d/61-6657-89/

一斗缶を開けるのに1分もかかりませんし、切り口は綺麗です。多少、バリは残りますが、普通の缶切りで開けるよりも楽です。一斗缶の上下を開けば、平らにして廃棄することもできます。

一斗缶カッター、オススメです。

2020.11.17 反応器へのアルゴンガス供給ライン

有機合成の実験では、禁水条件やアルゴン雰囲気下で反応を仕込むことがよくあります。普通は、ゴム風船にアルゴンを充填して三方コックにつけて反応器をアルゴン雰囲気下にしています。

ただゴム風船は空気を通すと言われているので、アルゴン雰囲気下で反応を仕込んでも、オーバーナイトで反応をまわすと空気が入ってくる可能性があるわけで、本当にアルゴン雰囲気下なの?と言われると「うーん」と言わざるを得ないです。

そこで風船に頼らず、反応器をアルゴン雰囲気下にするためにアルゴンガス供給ラインをガラス屋さんにだいぶ前に作ってもらいました。その写真がこちら。

左のゴム管からアルゴンが供給され、右のバブラーでガスが抜けるようになっています。特注品のマニホールドには、ルアーロックのオスが取り付けてあり、ここからシリコンチューブが延びていて、先端にはディスポのニードルが取り付けてあります。このニードルを反応器につけたセプタムにぶっ刺せば、常にアルゴンが供給される仕様になっています(ニードルの先を水につけると、ぶくぶく泡が出るぐらいの勢いです)。

このラインは便利で、例えばブチリチをシリンジで抜き取ったりするときにも利用できます。まあ風船よりはコストがかかりますが、空気が入ってくるリスクを低減することができます。

もしこのアルゴンガス供給ラインに興味がありましたら、設計図や価格の詳細を教えることができますので、お知らせください。

2020.10.7 最近買ったオススメ消耗品

最近買ったもので便利なものをご紹介します。

コンタミノン(洗剤)

https://labchem-wako.fujifilm.com/jp/category/00466.html

大量の試験管を1本ずつ洗浄するのは大変ということで、富士フィルム和光純薬のコンタミノンという洗剤を購入。超音波洗浄機の中に投入し(数%の溶液)、超音波にかけるだけで器具の洗浄が完了します。つい先日、大型の超音波洗浄機を購入したので、大量の試験管やガラス器具を一気に洗浄できます。手で洗うよりも綺麗になっている気がします。うちはコンタミノンNとコンタミノンUSを購入しました。

エバポバイアル瓶アダプター(14.5 mm)

https://axel.as-1.co.jp/asone/g/NCGL140054/

同僚の先生が使っていたのを見て、即決で購入。バイアルをエバポするときに使うアダプターです。今まではセプタムとディスポニードルをさしてエバポに装着していましたが、安定感はゼロ。暴れます。このアダプターのおかけで、バイアルが暴れずにエバポできます。

ラボランサンプル管瓶10 mLスクリュー管瓶 30mLはアダプターが使えるのは確認済みです。

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