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2022.11.2 機器購入
ブログの更新、しばらくぶりになってしまいました。9月は科研費の申請と夏季補習の準備や実験などで時間が取られ、10月は講義(有機化学IとIVの週2コマ)と薬学基礎実習(全4回)があり、また学生面談を16件をこなす感じで時間があっという間に過ぎてしまいました。
私立大学は国立大学と違って雑用が多く、「え、そんなことも教員がやるの?」という事がしばしばあります。いかにしてそれを回避しつつ(いやな感じを出さないで)、自分の研究時間を確保するかが大事だと思います。そうしないと限られた時間があっという間になくなってしまいます。
さて話は変わりますが、最近、新たな機器が納入されました。
一つ目は日本分析工業のリサイクル分取HPLC LaboACE LC-5060 Plus IIです。前から欲しかったGPCで分子量で生成物を精製するという代物です。分取はマニュアル式ですが、色々と自動化されている最新機種です。シリカゲルクロマトグラフィーなどでは分離できないが、GPCなら分離できる場合があるので、これ1台をもっていると強いです。本体に加えて、検出器はRIDとUV同時四波長で化合物を検出できるようにしました。
日本分析工業の方に伺うと、この機種はバカ売れしているそうで、大体の合成系の研究室で購入されているようです。直列に2本つないだカラムも、軽自動車が変えるぐらいのいい値段がしますが、他大学の先生の紹介と言うことで安くしてくれました。これからガンガン使う機器だと思います。
そして、東京理化のケミステーションと耐圧反応容器(6 MPa対応の特注品)2個も納品されました。オートクレーブ(耐圧反応容器)はもっていた方がいいだろうということで、色んな先生から情報を集めた結果、この機種に行き着きました。
まずこの耐圧反応容器のいいところは、手締めで容器を締められることです。大体のオートクレーブは、レンチとか使って、容器を締めるのですが、これは手締めで済むのです。楽ちんですよ。またヘッド部は高圧を掛けられるように6MPaにしました。標準品は2 MPaまでなのですが、高圧を掛けたかったため、6 MPaにしております。そのため特注品で、納品まで3〜4ヶ月掛かりました。この耐圧容器も来年度にはあと3本追加する予定です。
ケミステーションの方は、200 ℃までの加熱と冷却もできます(冷却装置が別途必要)。オートクレーブだけではなく、シュレンクなどもさせるみたいですが、今のところ使わないと思いますね。
武器が色々と揃ったので、機器紹介のページを近々追加したいと思います。
2022.7.8 コンビニエバポ購入
ブログの投稿も滞っておりますが、前期の化学系実習の終わり、比較的平和な日々を過ごしております。
さて、今年度も様々な機器を購入予定ですが、その第一弾としてバイオクロマトのコンビニエバポC1・スターターセットが納品されました。
この機器は、バイアルに入った少量サンプルの溶媒を飛ばす装置で、特にDMFやDMSO、水などを短時間で留去できます。4月にデモ機をお願いし、便利だったので購入しました。アルミビーズの所にサンプル管を置き、上から特殊な溝が掘ってあるプラグで抑えて使用します。例えば、DMSOでNMRを取ったあと、サンプルを回収、なんてこともできます。
今回、ダイアフラムポンプも一緒に購入しましたが、手持ちのダイアフラムでもOKです。右側の本体は20万円、ダイアフラムも20万円程度です。
2021.10.14 近況
ブログの更新も滞るぐらい9月、10月は忙しい日々を送っています。9月は科研費や財団の研究助成金の作成、有機化学の補講、実習準備、資料作成、実験などに追われ、10月は講義2コマ(有機化学Iと有機化学IV)と薬学基礎実習の準備に追われています。少しつづ日常を取り戻していますが、ペースを掴むまでは毎日が自転車操業と言った感じです。
さて、最近はディスカッション用にノートパソコンの画面を投影する大型モニターとテレビスタンドを購入しました。研究室では、プロジェクターで投影するスペースがないためモニターを選択しました。
購入したのは、SONYの55型4Kモニターの法人モデル(FW-55BZ30J/BZ)。思ったより安くて、10万円台前半で購入することができました。テレビチューナーはついていないので、テレビは見られません。探せばもっと安いモニターもあると思いますが、やはりちゃんとしたものが欲しいということで、SONYにしました。55型と50型で迷いましたが、55型で良かったと思います。
モニター購入に合わせて、可動式のスタンドも購入しました。サンワダイレクトのテレビ台で、安いけど、しっかりとした作りで満足しています。
あとはWEB会議用のカメラが欲しいなと思っておりますが、購入はもうちょっと先でしょうかね。。
2021.8.27 クーゲルロール
前のブログにも書きましたクーゲルロール用の特注試料球と冷却球が届きました。色々と組み合わせで使えるので、蒸留の幅が広がりました。某科学よりもかなり安価に作っていただき、感謝です。
2021.8.18 研究室の感染対策
ここ最近、新型コロナの感染者数が激増していて、東海地方も過去最多の感染者が出ています。本学では、教員の部屋の前に学生室が設置されており、不特定多数の学生が出入りしますので、さすがにこれはまずいと思い、研究室でも感染対策を強化しました。
アマゾンで足踏み式の消毒液スタンド、消毒液、アクリルのパネルを購入しました。どれも比較的安いので大した出費ではありません。
足踏み式消毒液スタンドは安いですが、しっかりとした作りで全く問題ありません。
アクリルのパネルの大と小
価格は安いですが、それなりの強度はありそうです。
これでどれだけデルタ株を防げるかは不明ですが、何もしないよりもマシでしょう。。
2021.7.22 6又アダプター
東海地方も梅雨が明けて、本格的な夏になりました。外は暑いし、湿度が高いので実験室の中は25℃ぐらいの室温を保つようにエアコンを常時運転させています。
さて、前にもブログに書きましたが、反応開発は小スケールで実験を仕込むことが多いです。そのため反応液のエバポも大量にやります。今までは、1つ1つサンプル管をアダプターに付けてエバポをしていたのですが、さすがに面倒くさくて時間がかかるということで6又アダプターを購入しました。
試験管はスリ付き試験管を用いる必要があるのですが、一挙に6本、濃縮できるため非常に便利で時短に繋がりました。試験管濃縮器みたいな機器もありますが、このアダプターがあれば十分ですね。実際に動いている様子は、下記の通りになります。
2021.7.14 エアコン風よけ
もうそろそろ梅雨明けの時期ですが、7月に入ると気温と湿度が高くエアコンをフル稼働させて実験室の温度を一定に保っています。ほとんどの大学では、天井に埋め込み式の業務用エアコンを使っていると思います。業務用はパワフルなので、エアコンの風が直接身体に当たって寒いとか、天秤に風が当たって不安定になるとか悩ましい問題が出てきます。
私の居室にもエアコンがありますが、ちょうど風がデスクに当たる位置にあり、どうしても寒い。かといって温度を上げるとちょっと蒸し暑い。エアコンの風をうまく分散させるプロペラみたいなものは高かったので(2-3万)、その他のものを探していたら、いいものを見つけました。
エアコンの吹き出し口に設置するカバーみたいなもので、2枚で3400円です。両面テープで固定していて中華製のちょっと怪しい商品ですが、これを風の吹き出し口に設置すると見事に直接風が当たりません(金属製のクランプも付属していますが、残念ながら当方のエアコンには付けられませんでした。落下防止のため、たこ糸で結んでいます)。
エアコンの風に悩まされている場合は、ぜひお試しください。
2021.6.29 備品購入(クーゲルと真空計)
小スケールの蒸留には、クーゲル装置が欠かせないですが、うちにもようやくクーゲルとデジタル真空計が来ました。
クーゲルは柴田のGTO-1000型で、クーゲル蒸留はもちろんのこと、オプション品をつければ昇華精製や加熱乾燥にも対応できる優れものです。ずっと前から欲しかったのですが、柴田とビュッヒしか販売されておらず、しかもセール品にならないので後回しになっていました。これでようやくクーゲル蒸留ができる環境が整いました。競争相手が居ないので、まあいい値段しますね。。。
あと減圧蒸留に必要なデジタル真空計も併せて購入。学生時代は水銀の入った回転式マノメーターを使っていましたが、今は販売していないのでデジタル式のものを選定することに。某I学院のK先生や某N大のH先生が愛用しているバキューブランドの真空計を購入しました。スペックは悩んだのですが、研究室にある佐藤真空の真空ポンプが0.67Paの到達真空度なのでそれも測れるVACUU・VIEW extendedにしました。
これらの機器は頻繁には使い物では無いけど、研究室に1つは欲しいモノなのでようやく揃える事ができました。
2021.5.20 保護メガネとマスクの相性
岐阜医療科学大学薬学部は岐阜県と愛知県の県境にあり、新型コロナウイルス感染感染者も過去最高となっています。愛知県は緊急事態宣言が発出されており、いつ自分が感染してもおかしくない状況にあります。
うちの研究室はまだ卒研生がいないですが、教員と研究員あわせてそれなりの人数が居ますので、実験中の感染対策は大事になってきます。
私も実験をするときには当然保護メガネとマスクをするのですが、湿度の高いこの時期は保護メガネが曇ってしまいイライラします。
保護メガネは山本光学のLF-501(軽くて長時間つけても耳が痛くなりません。オススメです)を使っているのですが、これに不織布のマスクを組み合わせると、前が見えないぐらい曇ります。ただミズノのマウスカバーを使うと、ほとんど曇ることがありません。マスクと顔の密着具合がちょうどいいからですかね。ここ最近、実験する機会を増やしているので、マウスカバーを追加で購入しました。
ということで、今回は保護メガネとマスクの相性についての話でした。
2021.4.20 二刀流レーザーポインター
今回は即買いしたプレゼンター・レーザーポインターを紹介したいと思います。
大学の先生は学会発表や講義などでレーザーポインターを使われると思いますが、最近はプロジェクターでスクリーンに投影するだけではなく、モニター上にスライドを表示させて発表するスタイルが増えてきています。うちの大学でもスクリーンがある教室は少なく、教室内のモニターに投影する場合がほとんどです。またコロナ渦の影響で、オンラインでWEB発表が主流になりつつあります。
キャノンから発売されているPRESENTER PR1-HYは、プレゼンターと緑色レーザーポインターを切り替えて使えます。またWin/Macの両方のOSに対応し、USBの無線接続またはBluetooth接続にも対応しています。パソコン画面上に時計またはタイマーも表示可能です(付属のソフトをインストールする必要があります)
PRESENTER PR1-HY
https://cweb.canon.jp/laserpointer/lineup/pr1hy/index.html
まさに私が求めていたレーザーポインターということで即買いしました。通常のレーザーポインターと比べて少しお高いですが、大事な仕事道具なので仕方ないですね。後は電池の持ちがどのくらいかですね。
2021.3.23 フラクションコレクター
10年前に購入した東京理化製のフラクションコレクターの基盤が壊れてしまったので、新しいフラクションコレクターと電磁弁を購入しました。どうやら岡山大学から岐阜医療科学大学に引っ越すときの衝撃?で壊れたようです。
今までフラクションコレクター山善の中圧クロマト(マニュアル式)で使っていました。そういう用途でしたのでUV検出器とフラクションコレクターの制御ソフトも持っています。
今回は違う用途(一定時間ごとに一定量の反応溶液を集める)で必要になったためフラクションコレクターと電磁弁を購入(40諭吉)。電磁弁がついていると、試験管にコレクトする時とドレイン(廃液)に行く時で弁の切り替えだけで済みますのでノズルの移動がなく、液垂れがないので試験管内がコンタミする心配もありません。ただ唯一の欠点は、フラクションコレクターの素材がTHFに弱いのでそこは注意かなと思います。
実は想定外の出費でしたが、研究に必要なので仕方ないですね。
2020.12.10 フェーズセパレーター
反応開発をしていると、まとめて反応を仕掛ける事がよくあります。後処理する数が多いと、試験管の中で有機層と水層を分けるために、パスツールピペットで分液します。
GLサイエンスからフェーズセパレーターという、有機層と水層を分けるものがあったので購入して使ってみました。Biotageからも同じようなフェーズセパレーターが販売されていますが、一部が販売中止になったとか。。。
https://www.gls.co.jp/product/spe_columns/inertsep_series/01104.html
軽い溶媒(例えば酢エチとかエーテル)を使が使えるInertSep® PS-SL は水槽がシリンジの先から落ちてきます。重い溶媒(塩化メチレン)を使えるInertSep® PS-SHは、有機層がシリンジの先から落ちてきます。これを使えば、いちいち分液をする必要がなく、後処理前の溶液をシリンジの中に入れるだけで、層分離ができます。
写真に写っているのは、InertSep® PS-SLで6 mLの容量があり、シリンジの中には有機層、下のバイアルには水槽が入っています。100本で4万円弱しますが、何回か再利用すれば、元は取れるのかなと思います。しかし、使用済みのInertSep® PS-SLを洗浄して乾燥させてみると、膜が分離しかかっているものがありましたので、再利用可能かはなんとも言えません(反応液を投入するときに、塩が析出しておりそれが原因かも)。シリンジを刺している台もGLサイエンスのもので、そこそこの値段はします。
ただ残念なのは、ホームページを見たところ、販売中止となっています。今業者を通して確認中ですが、もし代替品なしの販売中止であれば、折角フェーズセパレーターができる環境を整えたのに残念です。
2020.11.25 一斗缶カッター
有機系の研究室では、一斗缶を実験室内のゴミ箱にしているところが多いと思います。溶媒使用量の多い研究室では、ほぼ毎日、空の一斗缶が手に入ります(前所属ではそうでした)。普通の缶切りで一斗缶の上部のフタを開ける、、、なんて気の遠くなるような作業を学生さんはよくしていました。面倒なので、実験室の一斗缶ゴミ箱は古いまま(錆だらけ)なんてこともよくあります。
実は、一斗缶カッターなるものがあるんです。これは1年前に買ったものですが、非常に便利。
https://axel.as-1.co.jp/asone/d/61-6657-89/
一斗缶を開けるのに1分もかかりませんし、切り口は綺麗です。多少、バリは残りますが、普通の缶切りで開けるよりも楽です。一斗缶の上下を開けば、平らにして廃棄することもできます。
一斗缶カッター、オススメです。
2020.11.17 反応器へのアルゴンガス供給ライン
有機合成の実験では、禁水条件やアルゴン雰囲気下で反応を仕込むことがよくあります。普通は、ゴム風船にアルゴンを充填して三方コックにつけて反応器をアルゴン雰囲気下にしています。
ただゴム風船は空気を通すと言われているので、アルゴン雰囲気下で反応を仕込んでも、オーバーナイトで反応をまわすと空気が入ってくる可能性があるわけで、本当にアルゴン雰囲気下なの?と言われると「うーん」と言わざるを得ないです。
そこで風船に頼らず、反応器をアルゴン雰囲気下にするためにアルゴンガス供給ラインをガラス屋さんにだいぶ前に作ってもらいました。その写真がこちら。
左のゴム管からアルゴンが供給され、右のバブラーでガスが抜けるようになっています。特注品のマニホールドには、ルアーロックのオスが取り付けてあり、ここからシリコンチューブが延びていて、先端にはディスポのニードルが取り付けてあります。このニードルを反応器につけたセプタムにぶっ刺せば、常にアルゴンが供給される仕様になっています(ニードルの先を水につけると、ぶくぶく泡が出るぐらいの勢いです)。
このラインは便利で、例えばブチリチをシリンジで抜き取ったりするときにも利用できます。まあ風船よりはコストがかかりますが、空気が入ってくるリスクを低減することができます。
もしこのアルゴンガス供給ラインに興味がありましたら、設計図や価格の詳細を教えることができますので、お知らせください。
2020.10.7 最近買ったオススメ消耗品
最近買ったもので便利なものをご紹介します。
コンタミノン(洗剤)
https://labchem-wako.fujifilm.com/jp/category/00466.html
大量の試験管を1本ずつ洗浄するのは大変ということで、富士フィルム和光純薬のコンタミノンという洗剤を購入。超音波洗浄機の中に投入し(数%の溶液)、超音波にかけるだけで器具の洗浄が完了します。つい先日、大型の超音波洗浄機を購入したので、大量の試験管やガラス器具を一気に洗浄できます。手で洗うよりも綺麗になっている気がします。うちはコンタミノンNとコンタミノンUSを購入しました。
エバポバイアル瓶アダプター(14.5 mm)
https://axel.as-1.co.jp/asone/g/NCGL140054/
同僚の先生が使っていたのを見て、即決で購入。バイアルをエバポするときに使うアダプターです。今まではセプタムとディスポニードルをさしてエバポに装着していましたが、安定感はゼロ。暴れます。このアダプターのおかけで、バイアルが暴れずにエバポできます。
ラボランサンプル管瓶10 mLとスクリュー管瓶 30mLはアダプターが使えるのは確認済みです。