真空ポンプのオイル交換を簡単にするDIY
有機化学の研究室では、真空ポンプはほぼ必須の機器だと思います。
合成後の化合物を乾燥させるとき、残留溶媒を飛ばすために真空引きする工程は欠かせません。
この真空ポンプ、地味に厄介なのがオイルの定期交換です。
だんだんとオイルが汚れてくるので、通常は年に2回程度の交換が必要とされています。
学生が多い研究室なら「みんなで交代でやってね〜」で回せますが、
教員が一人でやるとなると、手間も時間もかかって非常に面倒です。
佐藤真空のオイルチェンジャーが廃盤に…
以前は、佐藤真空から「オイルチェンジャー」という便利なアイテムが販売されていたのですが、残念ながら廃盤になってしまいました。
「じゃあ、DIYで作るしかないな」と思い立ち、試してみたところ、
かなり快適にオイル交換ができるようになったので、その方法をご紹介します。
🧰 用意するもの
✅ 電ドルポンプ ミニ 六角軸
オイルを吸い上げるためのポンプです。
✅ ホース 透明 ビニール製(内径15mm/外径18mm)
ホースのサイズが非常に重要です。
- 内径15mm → 電ドルポンプとの接続に適合
- 外径18mm → 佐藤真空のオイル注入口にぴったりはまる
✅ ドライバドリル(お手持ちのもの or 安価な製品でOK)
普段使いの目的もあり、私は少し良いものを購入しましたが、
有線でも安価なものでも、オイル注入用なら問題ありません。
🛠️ 実際の使い方
真空ポンプのオイルは粘度が高いため、手作業で注入すると数十分かかることも珍しくありません。
ですが、この電動ポンプ+ホース+ドライバドリルの組み合わせを使えば、
わずか1分程度で注入が完了します。その様子がこちら。
📌 ポイントまとめ
- ホースの内径・外径のサイズが超重要(合わないと漏れたり、刺さらない)
- オイルの吸い上げ・注入ともに対応可能
- DIYだけど、十分実用レベルで快適
✨ 教員・技術スタッフにもおすすめ「できるだけ時間をかけたくない」「人手が足りない」
そんな現場には、ぜひこのDIYツールを導入してみてください。
一度使うと、「もう手動には戻れない」となるかもしれません。ただし、自己責任でお願いしますね。
2025.6.10