高圧反応器のメンテナンスに潜む落とし穴 ― 錆取り後のガス漏れ発生、その原因は?

ある日、実験用の高圧反応器(オートクレーブ)のメンテナンスでちょっとしたハプニングが発生しました。学生が「SUS製の反応器が錆びている」と報告してきたので、錆取りのために分解洗浄を実施。反応器を全て分解し、錆を除去した後は、洗剤「コンタミノンUS」を使って超音波洗浄機で入念に洗浄しました。

問題はその後。再度組み立ててガスを封入してみると、なんと5本中3本の反応器からガス漏れが発生してしまったのです。ナットを締め直し、パッキンの状態も確認しましたが改善せず…。調べた結果、ガス漏れの原因はどうやら安全弁部分(写真の赤丸部分)にあるようでした。

メーカーとも協力し原因を追求したところ、「安全弁を超音波洗浄機で洗浄したこと」がどうやら問題だった模様。金属製だから大丈夫と思い込みましたが、超音波洗浄の振動が安全弁に微細な影響を与えていた可能性があるとのことです。安全弁は分解できるため、改めて内部を確認してみますが、今後はこの経験を踏まえ、部品ごとに適切なメンテナンス方法を慎重に選ぶ必要があると感じました。

続報があり次第、皆さんに共有していきたいと思います。

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