遠隔操作で分析機器を操る方法

研究室にいろいろな分析機器を保有していると思いますが、スペースの関係で別の部屋に設置してあったり、別の階の部屋に設置してあることが多々あると思います。そのような環境の方に役立つものを今回はご紹介したいと思います(以前のブログもご参照ください)

うちの研究室のように、薬学部生であまり実験に慣れていない学生がいる場合、学生に実験をやってもらいつつ、同時並行でラセミ体の分離条件を探してもらうというマルチタスクをさせると、教員が思っている以上に時間がかかり、「え、まだ終わっていないの?、今まで何してたの?(禁句)」という状況に陥ります。特に分析機器が離れた場所にある場合は、その傾向にあります。

そういうときは、自分(教員)が分析をやった方が早いです。本当は学生にラセミ体の分離条件を探させることは教育的にはいいのでしょうけど、6年制薬学部生のほとんどは薬剤師になるので、分離条件の検討をさせる教育的配慮はそんなに必要ないのかなと最近思い始めました。それよりもどんどん実験してもらって結果を出してもらう方が良いのではないか、と悟っています。

さて本題に戻ります。機器を自分の部屋や自宅から操作できるのであれば、これほど楽なことはありません。そこでご紹介したいのがSplashtopというリモートアクセスソフトウェア。WindowsやMacでもリモート接続できる機能はありますが、Splashtopを使用した方が手っ取り早いです。

Splashtopを機器分析に利用するためには、次の条件が必要です。

  1. 遠隔操作したい機器の制御がパソコンでできること(Win, Mac問わず)
  2. 上記パソコンがネットワークに繋がっていること
  3. もし2でネットワークに繋がっていなければ、USB型のWi-Fi受信機(1000円程度)を差せること

上記1−3が満たされていれば、遠隔操作は可能です。ただし、基本的に分析機器のパソコンはネットワークに繋がない想定になっていると思いますので、もし遠隔操作目的でネットワークに繋ぐのであれば、自己責任で。

操作したいパソコンにSplashtopストリーマーを入れ、自分のパソコンにSplashtopのクライアントアプリをインストールすれば、遠隔操作できるようになります。接続先と接続元が同じネットワークであれば、無料利用できますし、異なるネットワークであれば、年間2000円ほどお金を払えば遠隔操作できます。

次の画像は自分のノートパソコン(Mac)から、離れた場所にあるGC(Windows)の画面です。オートサンプラーがあれば、遠隔操作で次々と分析や解析ができます。

ファイルの受け渡しは、Onedriveを仕込んでおけば簡単にできます。

こういう遠隔操作は、自分が保有している機器だけでやってくださいね。くれぐれも大学の共通機器にはやらないようにしてください。

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